【羽後高校新入生、昨年度の約2倍へ】高校存続に向けた取り組みの成果か。

2023年度の羽後高校の新入生は41名。前年度の24名と比較して、入学者が2倍近くに増えました。
羽後高校ではここ数年、高校存続のため町や学校による魅力的な取り組みがいくつも行われており、その成果が現れたと言えるのではないでしょうか。

2022年度には、情報通信技術などを専門的に学ぶ「デジタル探究コース」を新設。ドローンを操作して活用方法を学ぶ授業などが行われました。
同年8月下旬には、県内の全日制公立高校で初となる「給食提供」がスタート。1食当たり250円で、地元産食材を使った栄養バランスのとれた温かい給食を食べられるようになりました。

さらに羽後高校では、慶應義塾大学と連携した「高校魅力化事業」の取り組みが行われています。大学生が高校に駐在し高校生とのコミュニケーションを図ることで、生徒の進路選択の可能性の広げてきました。実際に、大学生との関わりから自分の進路を見出した生徒もいました。

本記事では、高校魅力化事業に取り組んできた慶應義塾大学生のメンバーに取材し、その取り組み内容についてご紹介します。

羽後高校魅力化事業について

羽後町と神奈川県藤沢市との災害協力協定がきっかけで、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以後、慶應SFC。)との協働事業が2018年度より始まりました。
教育活動に実績のある慶應SFC長谷部葉子研究会内に大学生有志による「羽後高校プロジェクト」が立ち上がり、実際に羽後町へ滞在して高校の魅力化に取り組んでいます。その数なんと、20名500日以上。(2018年7月からののべ人数、のべ日数)。オンライン活動を入れるとその数は倍にも及びます。

ここからは、慶應義塾大学3年 長谷部葉子研究会羽後高校プロジェクトリーダー 大沢香晴(かおる)さんにインタビュー。大沢さんは秋田県大館市出身で、羽後高校魅力化事業に参加して今年で2年目となります。これまでの羽後プロジェクトの取り組みや今後の展望について伺いました。

慶應SFC長谷部葉子研究会とは、どんな分野を研究するゼミナールなんですか?ー

長谷部葉子研究会は、慶應SFCにある「教育・コミュニケーション・異文化理解言語理解」を専門にした研究会です。

現場でのフィールド活動や実践を通じて、社会の問題を「教育」や「コミュニケーション」に焦点を当て、考察していきます。私たち羽後高校プロジェクトの他にも、主に7つのプロジェクトに分かれていて、農業や小学校教育、地域コミュニティなど、多様な分野で活動しています。

ー「羽後高校プロジェクト」では具体的にどんな取り組みが行われてきましたか?ー

私たちの活動は、羽後高校の存続を実現することを目的としています。羽後町と長谷部葉子研究会が協働して5年、高校存続、入学者数増加の実現のために羽後高校の魅力化を図り、探究学習(自分の興味を深めていく学び)を軸として、進学校、スポーツ強豪校などに代わる、「視野が広がり、納得のいく進路選択ができる高校」という新しい魅力を築いてきました。

探究学習を推進する上で「羽後学」、「SFC宿泊研修(SFCオンライン留学)」、「みらいクリエイティ部」という3つのコンテンツを柱に据え、高校生が自ら学びたいこと、活動したいことに合わせて主体的に学ぶことができる環境を一緒に創り上げてきました。

また地盤が固まった昨年度からは、それらの活動を対外的に発信し、高校のイメージアップや入学者数増加を図る「広報」の活動にも力を入れてきました。

ー今後の活動予定について教えてくださいー

今年度も、羽後学とみらいクリエイティ部、そして広報活動を続けていきたいと思います。今年度は活動をアップデートしながら続けるとともに、私たち長谷部葉子研究会にとどまらない、様々な方々と羽後高校をお繋ぎし、関係人口を増加させながら、新しい可能性、「ワクワク」を創出していきたいと思っています。

そしてSFC研修では、コロナ明け初となる「高校生全員」が4日間慶應SFCの学生になれる現地宿泊型体験を計画しています。この大イベントを通じて、高校生にとってかけがえのない経験に、人生のターニングポイントとなる挑戦になるように、全力を尽くしていきたいと思います。

羽後高校と慶應生との取り組みは、下記noteやInstagramにて発信予定です。ぜひフォローしていただけたら幸いです!

note
https://note.com/ugo_attractive

Instagram
https://instagram.com/ugo.project.ugo?igshid=NTc4MTIwNjQ2YQ==

大沢香晴さん、ありがとうございました。

羽後高校ではデジタル探究コースの新設をはじめ、給食提供の開始や高校魅力化事業まで、ここ数年でさまざまな取り組みが行われてきました。生徒の皆さんのますますのご活躍と羽後高校の更なる飛躍に、乞うご期待です!

 

 

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記者:UGONEWS編集部