【春休みを使って羽後町へ!】インタビューを通して企業を知るインターンシップ

初めて羽後町を訪れる人にとって、町はどんなふうに見えるのだろう?そんな風に思ったことはないでしょうか。

3月に羽後町を訪れたのは、立教大学3年生(当時大学2年生)のりなさん。大学の春休みを利用して1ヶ月間のインターンプログラムに参加、羽後町に滞在しながら、秋田県南に拠点を置く現地企業にインタビューを行いました。

インターンシップの受け入れ先はUGONEWSの運営主体でもあるNPO法人みらいの学校。そこで今回は、りなさんの羽後町滞在期間中にお時間をいただき、「どんな仕事を体験するのか?」「羽後町の印象は?」といったお話を聞いてきました!

「あきたみらいのデザイン研究所」取材型インターンシップ

インターンシップ制度(通称:インターン)とは、大学在学中に企業などで実務を伴った就業体験をおこなう制度です。NPO法人みらいの学校では、地域の企業や働く経験を積んだ社会人にインターン生が取材した記事を掲載するWebサイト「あきたみらいのデザイン研究所」を運営。学生インターンを受け入れ、社会へ出る前の学生が仕事観を養う機会を提供しています。

人生初のインタビュー。一番の気づきは?

ー まずはインターンシップの内容について教えてください!

簡潔にいうと、経営者や社員にインタビューをして、その企業のアピールポイントやうかがった話を記事にまとめるプログラムです。1ヶ月のインターン期間のうち、前半の2週間は町に滞在してインタビューを行います。残り2週間は東京に戻って、現地でのインタビュー内容をもとに記事を書くような流れです。

ー 現地取材とリモートでの作業があるのですね。2週間は短い気もしますが、羽後町に来る前に何か準備していましたか?

あっという間ですね。こちらに来る前は事前課題の動画教材をいただいて、インタビューのコツなどを在宅で学習しました。動画のポイントやインターン中に取り組みたいことをまとめるワークもありました。プロの方が監修した教材なので「こういうテクニックがあります」といった話だけでなく、現場での実践的な話も聞けて面白かったです。

ー 動画教材を使って準備をしていたのですね。羽後町に来てから1週間ほど経ちますが、すでにインタビューはされましたか?

今日が初めてのインタビューでした。秋田県横手市の建設会社である珍田建設(ちんだけんせつ)さんにお邪魔して、社長さんと2名の社員さんからお話を伺いました。明日は秋田県湯沢市で金属加工などを専門に行う高瀬電設さんに伺います。これらメインの記事とは別に、「あきたみらいのデザイン研究所」には『所長の部屋』という特集があって、そちらでは結婚相談所maricocoの松倉代表に取材予定です。

ー 3箇所でインタビューを行うのですね。記事を読むのが今から楽しみです。初日のインタビューはいかがでしたか?

インタビュー自体が初めての経験だったので、緊張しました。日常で社会人の方と話す機会はほとんどないですし、経営者と関わったことがなかったというのもあります。徐々に慣れてきて普段通り話せるようになったのですが、最初は恐る恐る質問しました。明日はもっと堂々と話して、聞きたいことをしっかり聞いていきたいです。

有限会社珍田建設/代表取締役 珍田正輝さんへのインタビュー取材

ー 人生初のインタビューだったのですね!しかも経営者の方にお話を聞くなんて、とても緊張しそうです。お話を聞く中で印象的だったことはありますか?

経営者の生の声は印象的でしたね。私は経営学部に通っているのですが、教科書で学ぶことはあっても、今回のように直接話を聞く機会はなかなかないので。社員や地域に対する思い、情熱を肌で感じました。

それから「経営者になる前となった後で考え方が変わる」というのも新しい視点からの学びでした。経営者になる前は自分のやりたいことや「こうやったら効率が良くなるのに」などと考えていたものが、経営者になってみたら案外難しかったという話を伺って。

社員の目線は持てても、経営者の目線というのは経営者の話を聞いたり実際にそのポジションに就いてみないとわからない。お互いの視点を知っていたらスムーズに改善に向かえるものも、知らないと衝突してしまう。視点の違いを知ることの大切さを学びました。

ー 経営者の立場と社員の立場、どちらも知っているからこそ出てくる発言ですね。社員さんからの話はどうでしたか?

社員さんには「どういう経験をされているか」を聞きたかったので、就職前後で感じたギャップなどを質問しました。特に、家庭と仕事の両立に関する女性社員の方からのお話が印象に残りました。

ー どんな点が印象に残ったのでしょうか?

仕事に集中するとどうしても家のことが疎かになったり、一方で家庭を大切にしようと思うと仕事が疎かになったりする、というお話を伺って。私は仕事と家庭を両立したい気持ちがあるので、両者のバランスをとる難しさを踏まえて、どのように向き合うか考えないといけないなと気づかされました。自分の将来像を思い描いた時に、こういう働き方があるんだなと想像する機会にもなりました。

初めての羽後町。来てみてどうでしたか?

ー インターン先に羽後町を選んだ理由は何だったのでしょうか?

理由の一つは、訪れたことのない場所だったこと。大学の授業期間であれば東京でインターンをしても良いけれど、せっかくの春休みなので遠いところに行ってみたいなと。実際、今回のインターンに来るまでは羽後町のことを全然知らなくて。他にも「行ったことのない場所」の候補地は複数あったのですが、インターンの内容にも惹かれて羽後町を選びました。

ー インターンの内容に興味があったのですね。そういえば、どんなきっかけでインターンを調べたのですか?

大学3年生になる前に就職活動に備えたいと思って、全国各地の実践型インターンシッププロジェクトが掲載されている「PROJECT INDEX(プロジェクトインデックス)」というサイトで春休み期間のインターンを検索しました。マーケティングや企画の募集もあったのですが、「人 対 人」というやりとりはインタビューならではだなと。特に経営者へ直接インタビューできる点に惹かれました。それから、社会人から職業観など真剣な話を聞ける点にも魅力を感じて、このインターンに決めました。

PROJECT INDEXに掲載されているインターン情報のページ

ー 初めての秋田。こちらに来るまではどんなイメージを持っていましたか?

今まで東北の方に来る機会もなかったですし、「秋田といったらこれ」というイメージはありませんでした。「雪が降ってるのかな」とか、「なまはげがいるのかな」とか。そういう、ぼやーっとしたイメージくらいでしたね。あとは「田んぼがあって…」とか「人はどのくらいいるんだろう?」などと想像していました。

ー 実際に来てみて、どうですか?

やっぱり東京と比べたら結構雪降ってるなと。例年よりは雪が少ないと聞くのですが、「雪国だ」と感動しました。あとは行く先々で、インターンコーディネーターの崎山さんが町の方と会話されているのを目の当たりにして。自分が住んでいたところでは、近くに住んでいる人と挨拶を交わしたり近い関係になったりすることはなかったので。地域内で深い関係性ができていて、町の人同士のコミュニケーションが取れているのを新鮮に感じました。

ー 羽後町は結構まわられたのですね。

崎山さんがいろんなお店をご存知で、結構まわりました。弥助そば屋さんや道の駅うごなど、いろんなお蕎麦屋さんにも行きました。やっぱり冷かけそばは絶品ですね。自分の住んでいるところで蕎麦を食べるときは絶対温かいお蕎麦になるのですが、冷がけは歯応えがあって、すごく美味しいです。

あとはお水が美味しい。東京では水道水を飲もうと思わないですし、飲んでも独特な味がするというか。羽後町では飲んでも味が気にならないんですよね。

大学2年の春休み。インターンを通して得た変化は?

ー 日常でもたくさんの気づきがあったのですね。今回のインターンを経験して、何か変化はありましたか?

まだインターン期間中なので明確にこれというものはないですが、羽後町に来る前と比べると将来に目が向くようになったと感じます。インターンに来る前は「いかに大学で楽しむか」が生活の中心で、仕事のことは深く考えていませんでした。でも事前課題やインタビューの下調べを通して、だんだん「自分は将来どういう仕事に就きたいんだろう」と考えるようになって。自分の将来像について、一度立ち止まって考える機会になったと感じます。

ー 将来について考えるきっかけになったのですね。具体的に、どんなことがしたいなと考えているのでしょうか?

一つは、語学力が活かせる仕事に就きたいです。外国に関わる機会があることや働き方の側面では、外資系の方が向いてるのかなと思いますね。まだ決まっているわけではないので、これから探していくつもりです。あとはプログラミングに興味があるので、ITの知識も習得したいです。大学でIT関連の授業も取れますし、独学でプログラミングを学べるサイトなども活用していきたいと考えています。

結婚相談所 maricoco/代表 松倉みほ子さんへのインタビュー取材

初めて羽後町を訪れた大学生のりなさん。インターンシップや町での生活を通して、さまざまな発見があったと話してくれました。りなさんが今回のインターンシップで執筆した記事は、「あ!きた!みらいのデザイン研究所」より読むことができます!記事は順番に公開されるそうですので、公開まで少々お待ちください。

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UGONEWS編集部(地域おこし協力隊|岸峰祐)