3月11日(土)・12日(日)、仙道地区にある祇園山スキー場にてゆきまつりとスキー大会が開催されました。かつては別々の運営による開催となっていましたが、人口の減少とコロナ禍の影響で今年からは共同での開催となっていました。4年ぶりの開催となった今回は、天候にも恵まれてたくさんの参加者で賑わいました。
▲祇園山スキー場はスキー大会をもって冬シーズンを終了しました。
3月11日 ~前夜祭~
スキー大会の前日、夕方の18時30分から始まったゆきまつり前夜祭。キャンドルロードを抜けると、田代地区のレストラン結心の出店が現れます。美味しそうな匂いに誘われて、みなさんアツアツの料理を頬張っていました。
開会の時間になるとアナウンスと共にのろしが上がり、4年ぶりにゆきまつりの開会が告げられました。暗闇の中でも、みなさんの楽しげな声は聞こえてきます。プログラムは順調に進み、少し前倒しで大文字焼きが点火されました。斜面に『大』の字が浮かび上がると、周囲から拍手と歓声が上がりました。
▲急な斜面に立ち、発煙筒に次々と点火していきます。
しばらく夜闇を照らし続けた赤い光もやがては消え、プログラムも終盤に差し掛かります。前夜祭を締めくくったのは眩い冬花火。幾発もの光の玉が打ち上がり、冬の夜空に大輪の花を咲かせました。
▲大文字焼きの点火や会場の設営を担当された実行委員のみなさん。運営を担当された実行委員会の皆さんも、4年ぶりの開催を心から楽しんでいました。
12日 ~スキー大会・ゆきまつり(本祭)~
夜が明けた祇園山スキー場は、また違った盛り上がりを見せていました。スキーウェア姿の方々が続々と入場し、会場のボルテージも上がっていきます。
開会式が終わると、「雪中田植え」が行われました。
「雪中田植え」とは
雪中田植えとは、小正月に行われている農事に関わる行事の一つです。雪原を田んぼに見立て、1年(12か月)が無事に過ごせるようにと束ねた藁を雪の上に植え、1週間後にその様子を観察し農作物の豊凶を占います。年明けとともにその年の豊作祈願や、農具への感謝を込めてお供えするなど、農家の生活に密着した行事です。
また、農家が1年の初めの儀式として、水田に見立てた雪の上に稲わらや豆がらを混ぜた「苗」を植え、1年の作柄を占う行事でもあります。干ばつや台風などの邪気を祓い、田の神に五穀豊穣を祈る大切な儀式として町内各地で行われていましたが、現在は限られた地域でのみ続けられています。
1年の祈願を終えると、いよいよスキー大会が始まります。種目は滑降と大回転の二種目。さすがは雪国の人間というべきでしょうか。みなさん、すごいスピードで雪の上を滑り降りていきます。特に一般の方々の滑りは別格で、コンマ1秒を争うハイレベルな戦いが繰り広げられていました。
▲荒れたコースの整地も運営のお仕事です。
全員が滑り終えると、次はそり滑り大会です。小学生未満~中学生までの子供たちが参加し、転倒しながらも楽しそうに滑っていました。
続く種目は雪の上の徒競走、「大雪崩走」。年齢問わず参加可能で、たくさんの景品が用意されていました。参加された方によれば、スキーとは違って足が埋まっていく感覚が走りづらかったとのこと。思いのほか体力を削られたらしく、景品にダイブする頃には、かなりの息切れを起こしていました。
プログラムの最後には、スキー大会の表彰と閉会式が行われました。競技に参加された方はもちろん、観覧されていた地元の方々も終始明るい面持ちでした。
■最後に
終始天候にも恵まれ、4年ぶりの開催は大成功のうちに幕を下ろしました。取材を通して、みなさんにとって地域のお祭りがいかに大切なものであるかを再確認することができました。地元の方々が中心となって作り上げてきた催しが、今後も続いていくことを心から願っています。大会に参加された皆さん、そして運営に携わられた皆さん、本当にお疲れ様でした!
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記者:UGONEWS編集部