【取材レポート|10月5日開催】
郡上と羽後、ともに踊る!にしもないde踊らナイト

寒風が秋の訪れを知らせる10月5日(土)、羽後町西馬音内で「にしもないde踊らナイト」が開催されました!西馬音内盆踊りと他地域の伝統文化が交わるイベント。6度目の開催となる今年は「継承」をテーマに、秋田県羽後町の西馬音内盆踊りと岐阜県郡上市の郡上踊り、秋田県男鹿市のなまはげ太鼓をゲストに迎えて行われました。

ワークショップで太鼓&踊りを体験

今年は初めての試みとして、午前中にワークショップを開催。参加者は太鼓と踊りに分かれ、西馬音内盆踊りのお囃子と踊りを体験しました。

太鼓の指導は、にしもないde踊らナイト委員長の矢野さんと羽後高校郷土芸能部の学生4名が担当。西馬音内盆踊り会館の門前で、にぎやかな太鼓と笛の音を響かせました。

踊りの指導を担当したのは、西馬音内盆踊り保存会の有志メンバー。盆踊り会館のホールを借り切り、西馬音内盆踊りの振り付けや意識するポイントなどを少人数で丁寧に説明しました。

お互いの踊りへの理解を深め、ともに踊る

いよいよ本番がスタート!「にしもないde踊らナイト」は第1部・第2部の2部構成。

第1部の前座は、東北の知る人ぞ知る羽後町のよさこいユニット「strada(ストラーダ)」!メンバーは”ちゃき”さんと”わった”さん。他のよさこいグループの公演にも「忍び」として出演しながら、ユニットで県内外のステージに出向き演舞しているお二人。ねぶた囃しが特徴の青森の総踊り曲「ザ・フェスティバル」では、参加者を巻き込んで盛り上がりました。

第1部:昼も踊らナイト。まずは「みんなで郡上おどり」で、郡上踊りから。

郡上踊りの演奏は「郡上おどり保存会ジュニアクラブ」。小学生〜高校生からなる団体で、年間を通して毎週お囃子を練習しているそう。今回は中高生6名と卒業生1名の計7名が羽後町を訪れ、紺色が特徴的なジュニアクラブの浴衣を身にまとい、テンポの良いお囃子を披露しました。綺麗な歌声が本町通りに響き渡ります。

一方の踊りをリードするのは「踊り助平(すけべえ)」。普段から郡上踊りに親しむ盆踊り愛好家のみなさんです。ここ西馬音内の地で西馬音内盆踊りを踊りたいとの思いを胸に、「にしもないde踊らナイト」に合わせて自費を投じて全国から集まるそう。町内で行われる盆踊り練習会やかがり火天国など、羽後町を年数回訪れる方もいるとか。

お囃子に合わせてリズミカルに踊る郡上踊り。手拍子やかけ声の賑やかさに乗じて、下駄の音がカランカランと良い音を立てて響きます。最初は外で見ていた人たちも振り付けを覚えると徐々に参加していき、次第に輪が大きくなっていきました。あっという間の60分です。

続いてはゲストが登場!

県内外の人に来てもらいたいとの思いから多様なゲストを招いている「にしもないde踊らナイト」。今年は秋田県男鹿市の郷土芸能 なまはげ太鼓「恩荷(おんが)」が登場。4人の息のあった太鼓の演奏に加え、一人のなまはげが抱えた太鼓を別のなまはげが全力で叩くなど、力強い演技で観客を圧倒しました。

第1部の後半は「みんなで西馬音内盆踊り」。踊りに先立ち、藤田貞子さんによる踊りの手ほどきが行われました。休憩時間にもお互いに振り付けを確認しあい、少しずつ踊れるようになっていきます。

「にしもないde踊らナイト」の特徴の一つが、西馬音内盆踊りを平服で踊ること。8/16〜18のお盆期間に行われる西馬音内盆踊りでは、踊りの型と衣装の着用が求められます。一方で「にしもないde踊らナイト」は飛び入り参加OK。西馬音内盆踊り保存会の有志によるお囃子に合わせ、各々の服装で音頭とがんけを踊りました。

第2部「夜も踊らナイト」では、ここだけの共演も

午後5時からは、第2部:夜も踊らナイト。昼と同様、郡上踊りと西馬音内盆踊りを60分ずつ踊ります。こちらは入場料あり。だんだんとお互いの振り付けを習得してきた参加者たち。郡上踊りは軽やかに、西馬音内盆踊りは優雅に。笑顔を見せながら、思い思いの形で踊りに没頭しました。

いつもはそれぞれの舞台でお囃子を披露している、西馬音内盆踊り保存会と郡上おどり保存会ジュニアクラブのみなさん。夜の部では特別に、一緒に舞台に上がりお囃子を奏でました。

郡上踊りの曲中には、盆踊りのリズムに合わせて一緒に踊る場面も。お互いの踊りをリスペクトしつつ楽しんで踊る光景が見られるのも、「にしもないde踊らナイト」夜の部ならでは。毎年参加している人も今年初めて参加する人も、イベントが終わる頃には一緒に集合写真を撮り、別れを惜しむ関係性になっています。

今回も多くの方が訪れ、盛況に終わった「にしもないde踊らナイト」。最後に、委員長の矢野さんからご感想をいただきました。

「運営については時間調整などバタつく場面もありましたが、全体として、とても良かったです。

初回の『にしもないde踊らナイト』からずっと大切にしているコンセプトが『誰と、どこで、何をする』ということ。ただの観光旅行ではなく、現地の人と盆踊りを共に踊る。運営スタッフも自分の役割をこなしながら、踊りの輪に入って一緒に踊る。今年も来てくれた人に盆踊りを楽しんでもらえたので良かったですね」

今月には西馬音内盆踊り保存会が岐阜を訪れ、「清流の国ぎふ」文化祭2024に出演。踊り助平の皆さんが駆けつけ、「にしもないde踊らナイト」の手拭いを掲げて声援を送ってくれたそう。来年も羽後町に集い、共に踊る光景が見れるのではないでしょうか。ご関心のある方は、ぜひ「にしもないde踊らナイト」をチェックしてみてくださいね!

「にしもないde踊らナイト」について知る↓
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UGONEWS編集部(地域おこし協力隊|岸峰祐)