現在、冬真っ只中の羽後町。「10年に一度の寒波」という言葉を聞いたのは、今シーズン何回目になるでしょうか。連日、昼夜問わず町民の安全を守っていただいている除雪隊のみなさんには頭が上がりません。
そんな中、昨年12月25日に、羽後町の夜に新たな明かりが灯りました。店名は『香や(かや)』。蕎麦屋の『松屋』、割烹料理の『丸二』のすぐ近く、西馬音内中野に新たなスポットが誕生しました。果たしてどんなお店なのか、新店オープンと聞きつけて取材に行ってきました!
人のご縁を大切に。伊藤さんがお店を開くまで。
今回取材に答えてくれたのは、店主の伊藤香織さん。この名前を聞いてピンと来る方も多いはず。伊藤さんは、田代の『阿専』で働いていたり、『おでん蔵しこ』という名前で間借り営業をしたりと、羽後町の飲食業を支えてきた人だからです。そんな伊藤さんが、自分のお店を開くまでの経緯について伺いました。
伊藤さんは、羽後町飯沢地区出身。高校まで羽後町で過ごし、その後は町内や湯沢市などで介護関係の仕事に長く勤めていたそうです。
伊藤さん:「元々スナックが好きで、お客としていろんなお店に行っていました。最初は『飲食店を開きたい』なんて微塵も思っていませんでした。」
さまざまなお店に通ううちに人の縁が広がっていき、「羽後町で何かできないか」、と思うように。地域のさまざまなプレイヤーと関わりを持つようになります。そのタイミングで出会ったのが『阿専』の阿部さん。阿部さんに誘われ、介護の仕事から離れて阿専で働くことになりました。

また、阿専が冬季休業の間に何かできることがないかと考えていたところ、縁がつながっていきます。知人と一緒に食事をしていた際に、伊藤さんが日本酒好きということから話がスタート。「日本酒に合うのはおでんだよね」という話の流れから、そのノリでおでん屋をすることに。『BASSOどりるまん蔵しこ』(現『Beer Cafe蔵しこ』)の営業に合わせて、『おでん蔵しこ』として冬季限定での間借り営業がスタートしました。
阿専や蔵しこでの飲食業の経験を通して、喋ったことがない人と出会い、人と繋がっていく感覚が心地よかったそう。また、料理を食べてもらって「美味しい」と言ってもらえることが何よりも嬉しく、やりがいを感じるようになっていきました。「自分のお店を持つのもアリかも」。いつしかそんなことを思うようになっていったそうです。

昨年の春頃から、ゆるりと物件探しをスタート。知人へも相談をしていたところ、夏頃に縁がつながり現在の物件を紹介してもらいました。それから、あれよあれよという間に物事が進んでいったといいます。
当時を振り返り、「『開業するには覚悟を決めなきゃいけない』と思っていたが、とりあえず動き始めたらスタートしていた」と伊藤さんはいいます。
伊藤さん:「蔵しこで働いていたおかげで、いろんな人と繋がることができました。オープン準備で困ったときは、周りに相談できる人がたくさんいました。ありがたいことに、蔵しこ時代から来てくれたお客さんがたくさん来てくれています。本当に周りに恵まれているな、とつくづく思います。」
お店の名前『香や』には、「香織の夜」「香織の店(屋)」を楽しんでもらいたい、という意味が込められています。また、自分自身が楽しんで営業したいという思いも。目標としていた昨年中のオープンになんとか間に合い、営業をスタートしました。

『香や』はどんなお店?気になるお店の情報をご紹介!
ここまではオープンまでの経緯を伝えてきましたが、気になる「どんなお店か?」をここから先はご紹介!
お店のコンセプトは、女性が一人でも来やすい和風ダイニングバー。内装から、どことなくスナックのような雰囲気を感じますが、カラオケをつけなかったのは伊藤さんのこだわり。伊藤さんお手製の料理やお酒を楽しみながら、ゆっくりくつろげる空間になっています。カウンターとBOX席があり、全部で20席程度の席を用意。複数人でゆっくりと話したいときはBOX席、伊藤さんとの軽快なトークを楽しみたい方はカウンターがおすすめ。

お店の名物は、蔵しこ時代から味を引き継ぐ「おでん」。この料理の肝は椎茸、昆布、煮干しなどさまざまな材料からひく秘伝の出汁。毎週2回、フレッシュな出汁をひき、継ぎ足しで作っています。練り物から出る出汁も合わさり、滋味深い味わいに。おでんの提供は冬季限定を予定しているそうなので、気になる方はお早めに。

香やの料理の特徴は、「馴染みはあるが、家庭で作るには少し手の込んだもの」。和食を中心にさまざまな料理が名を連ねています。ご予約による宴会も受け付けており、その際はおまかせで宴会メニューが用意されます。
飲み物はぜひ、生ビールをご賞味あれ。「次世代型サーバー」といわれる『タッピー』から注がれるビールは、新鮮できめが細かく、優しく喉を潤してくれます。この辺では珍しい、キリンの「一番搾り」が飲めるのもこの店の特徴。メニューには載っていませんが、日本酒好きの伊藤さんならではの隠し酒もあるかも?その他、ノンアルコールも含め、さまざまな種類のドリンクを用意しています。

最後に、伊藤さんからメッセージをいただきました。
伊藤さん:「町内外問わず、いろんな人に来てもらいたいです。お酒を飲まない人も大歓迎。友達同士で集まって話したい、といったシーンでもぜひご利用ください。夜カフェ的に使ってもらえれば嬉しいです。常連になれば良いことがあるかもしれませんよ?」
ランチ営業など、次なる展開も考えているとのこと。伊藤さんの飾らない人柄が縁を呼び、今後さらなる展開に繋がっていくことを期待しています!
【基本情報】
◼︎店名:香や
◼︎住所:秋田県雄勝郡羽後町西馬音内字中野11-6
◼︎電話番号:0183-56-7701
◼︎営業時間:18:30〜00:00(ラストオーダー:23:30)
◼︎定休日:火曜日
◼︎席数:20席程度(ご予約にて宴会コースも用意)
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UGONEWS編集部(地域おこし協力隊|土田大和)
