羽後町地域おこし協力隊の荻原涼(おぎはら りょう)です。町のキャリア教育というミッションをいただき、羽後高校魅力化事業など教育に関わる活動に取り組んでいます。
今年度、西馬音内小学校では地域の大人を講師としたクラブ活動が実施されました。2025年11月13日(木)に、私は芸能クラブの講師として音楽の授業を実施させていただきました。
今回は、和音(わおん)について学び、和音を用いて楽曲の伴奏をすることを活動目標にしました。

和音とは複数の音を同時に鳴らすことによって響く音のことです。小学生は鍵盤ハーモニカを持ち、私の合図にしたがって指定の鍵盤を押さえて、和音の響きを確かめていきました。
この日取り上げたのは、あいみょんさんの楽曲「マリーゴールド」に登場する和音です。最終的に、サビ部分をみんなで弾けるようになることを目指します。
「和音で曲を弾くなんて難しそう」と思う方がいるかもしれませんが、実はポピュラー音楽でよく使われる和音の種類はそこまで多くありません。また登場する和音も「ド・ミ・ソ」「ファ・ラ・ド」のように、鍵盤ハーモニカの白鍵(白い鍵盤)を一つおきに押さえることで弾けるもののみなので、実は覚えるのもそこまで難しくありません。
「マリーゴールド」のサビにはたくさんの種類の和音が出てくるのですが、50分間の活動の中で覚えきれるよう、5つの和音で演奏ができるように少しアレンジをしました。というわけで、小学生には全部で5つの和音の弾き方を覚えてもらいました。
そして、ここから合奏に入ります。ここからがなかなか難しい。というのも、先ほど覚えた5種類の和音を、正しい順番で鳴らす必要があるからです。

ここで活用したのが、色紙で作った小さな旗です。旗はそれぞれ異なる色をしています。小学生が覚えた5種類の和音にそれぞれ「赤・青・黄・緑・ピンク」の色を割り振り、私が掲げた旗の色に対応する和音を弾いてもらうことにしました。これにより、和音の響きを直感的に捉え、弾く順番をスムーズに伝えることができるようになりました。
*この「旗」を使った活動は、本来は「鳴らされた音を聞いて、対応する色を当てる」という形で、和音の響きを聴き分けるトレーニングとしてピアノのレッスンなどでよく使われます。今回は「掲げられた色に対応する和音を弾く」という形なので、本来の使い方とは異なります。小学生の皆さんが、和音の響きと押さえ方を直感的に結びつけられるようにするために、このような使い方をしました。

和音の順番を覚えてきたところで、いよいよ全員で合わせます。リズムボックスという機械が奏でるリズムに合わせて、まずはゆっくり全員で演奏してみると、いきなり上手くいってしまいました。まさか一発でここまで揃うとは思っておらず驚きました。
そこで、少しずつテンポを上げていき、原曲の速さに近づけていきました。速くなって難しくなると思いきや、ちゃんと対応してリズムに合わせて弾くことができました。そして、「旗上げをやりたい」「自分は歌をうたいたい」など、鍵盤ハーモニカ以外の役割に自分から名乗り出る人も現れました。最後は鍵盤ハーモニカ・小学生の歌声・リズムボックスに自分のギターが合わさって、ここだけにしかない「マリーゴールド」の合奏を完成させることができました。ここまでにかかった時間は40分。小学生の吸収力に驚かされます。
最後はアンコールとして、クリスマスも近づいてきたので、今回教えた和音で弾くことのできるWham!の「Last Christmas」を演奏しました。こちらは先生方もよく知っている楽曲ということで、先生の歌声も混ざり合い、なんともいえない幸福感に包まれて、クラブ活動の時間は終了しました。
私は学生の時からギターをはじめ、今の今まで細々と続けてきています。教えられるほどの腕前はまったく持ち合わせていませんが、それでも幾度となく合奏をしてきましたので、自分が小学生に伝えられることは「合奏する楽しさ」になるかなと考えました。
楽器は触れば簡単に音が出ますが、自分の思い描いたような音を出せるようになるには練習が必要だったりします。好きな音楽がある人はたくさんいると思いますが、自身がプレイヤーとして演奏するとなると一気にハードルが上がってしまう、ということもあると思います。今回のクラブ活動を通して、直感的に、楽しく、そして「それっぽく」演奏することができたのはとてもよかったなと感じています。これからも、音楽を通して小学生や中高生、町のいろいろな方と繋がることができたら嬉しいなと思います。
=====================
記事制作:荻原 涼