新型コロナウィルス感染症対策の影響で今年度も学校行事や地域行事、イベントが中止・延期・規模縮小となり、何だかやりきれない想いが続いています。このままでは、新生活や新たなチャレンジに期待できず、消極的になってしまう方も多いのでは、、、と考えました。
そこで少しでも、これからの生活やチャレンジに希望が持てるよう、町に縁がある方のチャレンジしている姿やメッセージからUGONEWS読者の皆様に元気・勇気・ヤル気を出していただこう!と思い、インタビューを実施いたしました!ぜひ、多くの方にご覧いただき、町出身者の方の応援にもつなげたいです◎
Vol.2 郡司 歩さん
みちのくプロレスでプロレスラーとして活躍中の郡司歩さん。羽後町『公認』観光宣伝大使として、SNSを使って拡散活動。 スポーツトレーナーとして不定期ながら活動中とのこと!
・みちのくプロレスホームページ
http://www.michipro.jp/
◎試合映像や過去の映像をYouTubeで見れます!
https://youtube.com/c/
Michinokuprowrestlingofficial-GunjiTV
Profile
高校時代まで羽後町で過ごし、その後、スポーツ系の専門学校へ進学。2012年1月にデビュー。
みちのくプロレスの歴史でも約2年半と言う長すぎる練習時代を経てデビューした根性のレスラー。
2015年3月には佐々木大地とのコンビで東北タッグを獲得。2度地元・羽後町での凱旋大会を成功させた。
2017年9月には有言実行の東北、UWA世界タッグを獲得した。
2018年3月は連合軍の一員としてヒール道を突き進む。10月にはディック東郷との秋田コンビを結成し地元大会を成功させた。
現在は酔いどれスタイルとして異彩を放つ。
プロレスラーへの挑戦
ここからは、インタビュースタイルで書き進めます◎(以降は敬称略、記者=佐藤マサカズ、郡司=郡司歩さん)
【記者】
実はオレ、羽後中で一個上だったんすよ。こうやってちゃんと話すのは初めてなので、変な感じです笑
【郡司】
そうですよね笑 同じ中学校行ってても部活とか被ってないと話さないし、共通の知人は多いんですが笑
改めてよろしくお願いいたします。
【記者】
本当は飲みながら思い出話しながら聞ければよかったんですが、コロナのせいで実現しないので、オンラインで話聞かせてもらいますね。
まず、何より気になったのが、「酔いどれスタイル」って笑
【郡司】
そうなんです笑
このスタイルは同期への嫉妬から生まれました。自分の夢であるメキシコ修行もアイツが先に行って、会社も推してて。アイツはプロレスしかしないのに僕なんか、音響とか映像制作とか、他のこともやらないといけないんですよね。もうやってらんねえと思って。酒飲みながら試合したろ。って、どんどんやったら、周りからも意外と評価良いんですよ。なんといっても、試合がやりやすすい。試合前に酒飲めるんで、もう楽で楽でしかたないす笑。
【記者】
地元の酒飲んでPRにもなるし、良いかもね笑 プロレスラーを志したきっかけって何でしたっけ?
【郡司】
中2の時くらいからプロレスにハマって、誕生日のお祝いに親と一緒に見に行ったら「なりたい!」って思ったんです。親が看護師なんで、まず反対されました。でも親だからいずれ認めてくれると思ってて。どうやったらなれるかを本とかで調べましたね。その後ずーっと、周りに話しても「いや無理だよ」「体も小さいのに」って言われ続けました。それでも僕としては諦めずに、今できることをやってましたね。本屋さんでトレーニングの本買って勉強して、体育館でひたすらトレーニングをして身体を大きくしようと。部活でハンドボールやってた時に国体強化指定メンバーになりトレーナーさんについていただき、スポーツトレーナーの重要性を知りました。怪我は絶対ダメだって思い、トレーナーの道は絶対通らなっきゃいけないって思い、スポーツ専門学校で2年間学ばせて頂いて、それからみちのくプロレスの入門テストを受けました。
【記者】
すげー言い慣れた感じありますね笑 数あるプロレス団体の中でみちのくプロレスを選んだのはなぜ?
【郡司】
自分としては地元の貢献したいと思える仕事をしたいと思っていたので、最初は自衛隊になろうかと。公務員だし、給料も安定しているし。でも、みちのくプロレスを見に行った時に、あ、これだなって。みちプロも地域密着型だし、プロレスを見て元気をもらえました。自分のプロレスを見てもらって、与える側になりたいって思えたんですよね。僕ほんと人見知りで、全然しゃべんないんですよ。プロレスみたいに感情出して表現した方がいいんじゃないかって。
【記者】
なるほど。今まで失敗や困ったこともあったんですか?
【郡司】
やっぱりケガですかね。一番大きなケガは、頚椎損傷。試合で、頭から落ちてしまった時があったんです、世に言う致命傷でしょうね。プロレスは技を受ける、受けきって勝つスポーツなんで、受け身は取るんですが、、、でもなんとか、今はトレーナーの知識で状態を戻そうとしています。怪我はつきものなんですけど。すごい大きい怪我しちゃうと、プロレスができなくなるんでケガには本当に気をつけてます。
【記者】
今後のプロレスラー人生の目標だったり理想はありますか?
【郡司】
今はチャンピオンベルト持ってないんで、ベルトを常に持ち続けるレスラーになりたいですね。で、地元に貢献するレスラーになりたいというのはあります。
羽後町について
【記者】
地元貢献っていう言葉が出たので、羽後町での思い出について教えてください。
【郡司】
地元凱旋試合ですね。中でも第1回すげえな祭りは印象深いです。同級生からの声が大きなきっかけで、町・商工会・みちプロの3つが協力し合って成功した大会だと思うんですよ。実は、この形って、サスケが思い描いてる50カ年計画の理想形。みちプロが目指す単体開催ではなく、まちぐるみの開催。これは地域にプロレスが根付いた証になるんだ。って。本当に商工会青年部メンバーには感謝しかないです。
【記者(小森)】
中学時代にプロレスラーになりたいって決めたと思うんですけど、なる前の周りの反応と、なってからの反応の変化は?
【郡司】
周りのほとんどはムリだろって反応でしたが、恩師だけは認めてくれました。専門学校では、実は卒業までは進路を隠してた。もっと早くに言っとけばよかった、と損したなぁって。
伝えることがいかに重要か気づきました。なりたいって伝えると、周りから何か言われる。言われると改善ができる。そして、大きな結果を残して、それを伝えると応援に変わる。伝えると現実になると思ってます。プロレスってイメージが暴力な感じなんですけど、プロレス見る子たちはケンカしなくなるんですよね。人が殴られて、めちゃくちゃ痛がってる光景を見ると反面教師になるみたいで。あと、プロレスラーは応援されると2、3倍のパワー出せる。感謝・応援されるからこそ、応えたくなって、良いことをやろう。と思う。勇気を与えたいなぁとか。周りの人たちがカッコ良かったから学んだ。色んな方々に教えてもらった。
【記者(小森)】
もっと周りの環境がこうだったら良かったことってありますか?
【郡司】
環境は大事。今の小学校とか中学校とか学校では、ダメだと言わないみたいですね。そこが基本だと思います。周りの協力は、まずは肯定・応援からで、否定から入らない事が一番大事。周りの大人が羽後町だけで完結するものだけでなく、色んな手段や方法を提案すると実現に近づくのでは。【記者】
事前にいただいた取材シートの中で、日々の活動で大事にしていることは「精進努力」ってあるんですけど、これは羽後高校の校訓ですよね?なぜ、卒業後もこれを大事にしている?
【郡司】
物事って一日では絶対に成し遂げられないことだと思うので。だからこそ、この言葉はずっと心には秘めてます。で、もう1つ「自分のための一時間」と記入したんですが、これは子ども達にも伝えています。仕事とか部活とか大変でも一日一時間は誰でも作れると思います。僕はプロレスラーになりたいから、自分のための一時間をトレーニングに費やしたんですよ。子ども達って僕らより勝っているものは時間だと思うんです。今から一時間、自分のために使ったら必ず夢は叶うんじゃないかなって。
【記者(小森)】
自分のための1時間を保つため、誘惑を断つ方法は。
【郡司】
結果を出したいか、出したくないか、にこだわることですかね。ドン底も経験することで、時間管理や何をしたら良いかわかるはず、時間をうまく使って欲しい。
これからについて
【記者】
2022年度の目標やチャレンジは?
【郡司】
岩手県からコロナ対策の指導の下で、岩手県滝沢市の道場を拠点にやってるんですけど、そこだけなんですよ。やっぱりお客さんが少なくて。いまもう完全にマイナスな状態から、通常に戻ればな、って思ってます。自分としては、怪我をしない。それはもちろんなんですけど、もう一回タイトルに挑戦しようかと。やっぱりチャンピオンベルトをつかみ取りたい。ゆくゆくは、もう一回、地元凱旋、ディック東郷さんとシングルマッチをやりたい。
【記者】
羽後町でも新型コロナウィルスの影響で新たな生活に希望を持てない人もいると思うんですけど、メッセージいただけますか?
【郡司】
『周りの感謝を忘れない』、『諦めない』、『伝えていく』、『目標、将来の夢を持つこと』をやってほしい。
周りへの感謝、子どもに思ってほしいのはそれなんですよね、忘れないでほしい。「ありがとうと言おう」と。君たちのことを、お父さんお母さんはずっと考えてくれてる。君たちは遊ぶだけ遊んでいいから、ありがとうというのを忘れないで、って子どもに言うんですよ。自分自身もやってきてて、それがなければレスラー郡司歩はないですね。
諦めない、ここで折れちゃいけない、って思ってますね。俺プロレス駄目なんじゃないかって諦めかけてるときあったんですよ。でも地元に帰らせてもらえると、こんなに応援してもらってるのに、馬鹿じゃないの、がんばんねえとな、ってなるんですよ。また、伝えていく。こういう、お話させてもらえると、エンジンがかかるんですよね。
目標、将来の夢を持つこと、良くするというのは永遠のテーマなんですよ。身体を良くするのもそうですし、プロレスでみなさんに喜んでもらうのもそうですし、地元貢献もそうですし。やっぱり、絶対壁があるんですよ。どんなことでも。でも、もうちょっとやればできるんじゃないか、というのがいつもありましたね。やっぱり次、何か挑戦しないと、とテーマを決めていくと、諦めたいという気持ちがなくなるんですよ。どんどん目標を作れば絶対行けるな、って思ったんですよ。一日、一週間、一ヶ月、半年、一年、五年、十年。そう考えれば、もっと面白いことができるんじゃないかって思うんですよね。
編集後記
郡司くんを取材して、非常に個人的には話しやすかったです。プロレスラーという体を鍛えるスポーツを通じて心も鍛えられているのが伝わってきました。
無骨な言い回しは多かったですが、どの言葉も本質を捉えていて素直にスゴいと感じました。
5月4日(水・祝)14時〜秋田市セリオンプラザで大会があるとのことで、彼の雄姿をぜひ応援しに行きましょう!
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記者:佐藤 マサカズ( NPOみらいの学校 事務局長 / 羽後町役場から出向 )
羽後町の変態公務員。町を一番楽しみたくて色んな事に顔突っ込んでます。
私の新たなチャレンジは団体の自立とワクワクの爆発です!
インタビューサポート:小森 一太(羽後町地域おこし協力隊)