新入社員を迎えるこの時期、秋田キャッスルホテルにて秋田県中小企業家同友会が合同入社式を開催。同友会会員の株式会社小野建設さんも式に参加するということで、入社式を潜入取材しました。企業が考える合同入社式への参加意義に迫ります。
合同入社式を開催する理由とは。
秋田県中小企業家同友会では、2014年度から合同入社式を開催。今年度で9回目の開催になります。参加者は15社35名。前年度の11企業18名を大幅に上回る参加となりました。秋田県中小企業家同友会は、この状況を次のように語ります。
ー以下、秋田県中小企業家同友会より
コロナ渦中でも新卒を採用し、新しい時代を築いていきたいという経営者の気持ちもあるかと思います。合同入社式は秋田に根付き、秋田の未来を支える中小企業を選んで入社してくれた若者たちを応援しお祝いし開催するものです。
新入社員は、これからの地域社会=秋田県を支える“秋田の宝”ともいえる存在です。秋田同友会各企業の経営者は、その若者たちに「働くこと」の大変さと同時に得られる喜びや生きがい・働き甲斐を伝えたいと願っています。
1社1社に入社する人数は少ない中小企業ですが、合同入社式・新入社員研修会では同じ地域の“仲間”の企業に同期で入社した社員同士の「同期社員」として関係をつくり、育て合うことを目指しています。
入社式当日。
はじめに開会の挨拶として、六郷小型貨物自動車運送株式会社の代表取締役社長 近藤哲泰さんより、新入社員の方々へメッセージが送られました。
ー以下、近藤哲泰さんより
仕事は皆さんが幸せになるためにするものです。ご家族の皆さんも皆さんの幸せを何よりも望んでいます。ぜひ、このことを忘れないでほしいと思います。「自分の幸せって何だろう」ということを思い描いてもらいたいと思います。その将来の幸せに向かって今を大切にしてもらいたいと思います。
同時に仕事は誰かがそれを必要としているから仕事になります。誰も必要としなければ仕事にはなりません。皆さんが入社される会社には必ずお客さまがいらっしゃいます。お客さまに喜んでいただく、信頼していただくことで仕事をさせていただくことができます。
一人でできることは小さなことですが、会社には先輩や上司の方がいらっしゃると思います。指導していただきながら、会社の一員として一生懸命取り組んでいくことで、一人では成し得ない大きな仕事をすることもできます。簡単なものではないと思いますが、これからたくさん勉強することもあるでしょう。また、努力も必要だと思います。辛いなと思うときもあるかもしれません。でも、その苦労を乗り越えて、お客さまに喜んでもらう仕事をしてほしいと思います。そして、その仕事を通して自分の幸せを実現していってもらいたいと思います。
「お客さまに喜んでもらい、自分の幸せを掴み取っていく人が、自分だけではなくて自分の周りにもどんどん増えていくことは、秋田の幸せに繋がっていく」そう僕は思います。人口減少や少子高齢化という言葉を何度も聞いたことがあると思います。それはこの地域において非常に大きな課題ですが人口と幸せは比例しません。仕事に励み、人に認められ、必要とされる。仕事でなく喜びや苦労を分かち合えるパートナーがいるなど、幸せのものさしは自分自身にあります。
秋田県中小企業家同友会は良い会社を目指して、経営者と社員が一体となって取り組み、秋田を豊かにより良い地域にしていこうと取り組んでいる企業の集まりです。結びに、本日の式次第に書かれている佐々木共同求人委員会長と金子社員共育委員長の言葉、最後の4行をお借りします。
皆さんの成長と活躍を心から期待し、お祈り申し上げ、開催の挨拶といたします。本日は、誠におめでとうございました。
開会の挨拶に続いて、新入社員の紹介が行われました。株式会社小野建設さんの新入社員2名も登壇。緊張した面持ちながらも、決意や意欲が感じられる表情を浮かべていたのが印象的でした。
合同入社式に参加する価値とは。
式の後、株式会社小野建設の副社長 小野人平さんに「合同入社式に参加する意義や価値」について質問しました。小野副社長は次のように話してくださいました。
ー以下、小野人平さんより
入社式を行わない企業もあるかと思いますが、弊社では入社式を“ケジメ”として考えていますし、その場で「今日から社会人」という自覚を持ってもらいたいという思いもあります。我々のような中小企業は、新入社員を採用しても1人または2人程度の採用となってしまい、自社のみで入社式を行うと少し寂しい感じとなってしまいます。その点、合同入社式に参加すれは同期の人数も多く、同じ心境の人とも出会えます。
自社のみで入社式を行うよりも、合同入社式の方がより本格的に”式”となっているため、ケジメもしっかりつくとも考えていますし、「私だけ」でなく「私たち」といった気持ちとなり、今後この地域を担っていく人材としての認識を強くもってもらいたいと思いもあり、合同入社式に参加しています。
参加した新入社員には、今後研修などの機会でこの式に参加した同期と出会ったときに「あの人、同期なのに自分よりも成長しているな。自分も負けてられないぞ」といった、ライバル心からの成長も期待してます。
今回の取材では、秋田県中小企業家同友会の合同入社式に参加された株式会社小野建設さんにお話を伺いました。これから新たに社会人生活をスタートさせる新入社員にとって、同期の存在はとても励みになることと思います。新社会人の皆さんのこれからのご活躍を心より応援しています。
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記者:UGONEWS編集部