11月1日(火)、西馬音内某所にて行われた「まち歩き研修」。西馬音内を訪れた観光客へのコンテンツとして期待されるこの試みに、協力隊の背尾が突撃で参加! 盆踊り会館を起点として西馬音内地区の各名所を巡った「まち歩き」の様子をレポートします!
この町をより深く知ってもらうために
11月4日現在、西馬音内盆踊りはユネスコ無形文化遺産への登録が期待されています。それに伴い、来訪者に向けた観光案内の重要性を鑑みて実施された今回のまち歩き研修。本研修は、西馬音内観光ガイドの会が主体となって開催されました。
西馬音内盆踊りの歴史を学ぶ
▲盆踊り会館の施設説明の様子。
まち歩き研修の出発地である盆踊り会館。一階正面のフロアには端縫い衣装や藍染の浴衣などが展示されています。館内ガイドの阿部結さんによると、展示品の中には明治時代に作られたとされる衣装もあるそうです。たいへん貴重な展示品を前に、参加者の間では感嘆の声も上がっていました。
さらに、両サイドには”音頭(オンド)”と”願化(ガンケ)”の振付が小さな人形によって表現されています。これらは西馬音内に住まわれている方による手づくりだそうです。着物から編み笠まで、実に精緻な出来栄えで非常に見ごたえがありました。
▲二階にある盆踊り伝承室からの景色。盆踊り当日は囃子櫓が組まれ、この部屋はお囃子の待機所になる。
二階の盆踊り伝承室は広々と40畳。通りに面した襖を開けると、西馬音内の昔の街並みが一望できます。さらに、この部屋にはもう一つ特筆すべきポイントがありました。
▲盆踊りの刺繍を施された畳。
視線を足元に向けると、畳の縁に小さな踊り子の姿が。この可愛らしい刺繍入り畳は特注品で、左右互い違いに計10枚が使われていました。
盆踊り会館を象徴するような大広間、盆踊り伝承室。みなさんも訪れた際には、ぜひご確認ください!
西馬音内を形成する建造物たち
西馬音内の街並みは、盆踊りと共に歴史を刻んできました。とりわけ寺社仏閣はその当時の生活や価値観を色濃く残しています。今回のまち歩きで、当時の人たちがいかに信仰を重んじていたのかを学ぶことができました。
▲宝泉寺
イチョウの葉が頭上を彩る宝泉寺。境内には大きな慰霊碑や六地蔵、役目を終えた庚申塔などが安置されていました。さらに本堂を左に抜けると、おびただしい数の墓標が姿を現します。中には羽後町ができるずっと前に作られたものもあり、歴史の深さを改めて実感させられました。
▲御嶽神社
次に訪れたのは、本町通りの西端に佇む御嶽神社。この神社は今から700年以上も昔に建立されたとされており、一説によると、これを西馬音内盆踊りの歴史700余年の根拠とする声もあるそうです。また、この日は神主さんの計らいで千手観音像を拝むこともできました。
▲普段は施錠されていて公開されていない千手観音像。
秋の訪れを感じながら
西馬音内には名前の付いた路地がいくつもあります。中町通りと裏町通りとを繋ぐあやこ路もそのひとつ。『あやこ』とは家屋の間(間の道……間ッコ道)が語源とされています。風情のある小道がたくさんあるのも、西馬音内の魅力です。
▲あやこ路
▲西馬音内川の川縁。馬音川(バオンガワ)と呼ぶ人もいるという。
▲諏訪神社。面した通りを近隣では”お諏訪さん通り”と呼んでいる。
11月4日現在、西馬音内盆踊りはユネスコ無形文化遺産への登録を目前にしています。今後、西馬音内盆踊りとまち歩きが西馬音内の名物となり、羽後町のファンがさらに増えることを切に願っています!
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撮影・文|背尾文哉(地域おこし協力隊)