4つの肩書を持つ店主が経営する書店ミケーネ。
地域の方から「あの書店ミケーネさんの店主は、本屋だけじゃなくて、塾も民宿もやっているよ」と教えていただきました。三足のわらじをはく店主はどんな方だろうと気になって、書店にお伺いしました。こちらの建物、1階は、本屋さんである書店ミケーネ。2階は、小学生~高校生を教えている塾・学習塾ガロアです。迎えてくださったのは、阿部久夫さん。
現在阿部さんは、
- 書店ミケーネ店主
- 学習塾ガロア塾長
- 特定非営利活動法人 鎌鼬(かまいたち)の会事務局長【鎌鼬の会とは?→秋田県出身の舞踏家・土方巽(ひじかたたつみ)の功績を讃え、舞踏の発展を支援することを通じて地域振興を目指す会です】
- 町議会議員
という4つの肩書を持っています。先日、お話に聞いた民宿は、阿部さんの息子・阿部雄太さんが経営されているそうです。
▲1階は、書店ミケーネ。2階は、学習塾ガロア
突然の訪問にも関わらず、快くお話を聞かせてくださいました。羽後町の中では、キーマンとして、幅広い分野で活躍している阿部さん。ここでは、4つの肩書を持つ阿部さんの人柄に迫りたいと思います。
阿部さんが育ってきた背景を紐解きます。
羽後町の田代(たしろ)出身の阿部さん。羽後町は平野部の地域と山間部の地域があります。その中でも、田代は山間部、平均標高300mの地域です。まずは、阿部さんの学生時代のころからお聞きしていきましょう。
――――どんな学生時代を過ごされたんですか?
阿)田代には中学生までいて、湯沢市の高校を卒業し、大学に進学しました。農家の長男だったので親からは「大学行ったら、家に帰ってこないのでは?」と心配されて。なので、農学部に進み、理科の先生になって帰ってくると説得し、大学へ行った。
私は根本はニヒリズム(虚無主義)なの。小さい頃から自分が死ぬ、他の人が死ぬことがすごく怖かった。だんだん大きくなるにつれて、死ぬことなどが分かってきた。私は、何をやっても意味がないと考えたの。生きる意味って何だろう?その意味を持たせるには神がいれば一番いいと思ったの。だから教会へ、神についていろいろ聞いたけど、どうも信じられなかった。高校は単位とかがあったけど、大学は自由だった。だから、勉強する意味が分からなかったんだよね。ドイツ語のテストで、なぜドイツ語を勉強したくないのかを永遠書いたの(笑)
――――大学卒業後はどうされたんですか?
阿)大学卒業後、5年間東京でコンピュータープログラムを作る会社にいたの。その時に結婚して子どもが生まれて、地元に帰った。30歳で農協に入って、10年間勤めました。女房が本屋を昔からやりたかった、私は子どもに勉強を教えるのが夢だったから塾をやろうと。農協辞めてから、本屋・塾をやるまでには、いろいろ話が長くなりすぎるから、今日はやめておきますね。
▲1階の本屋。羽後町には本屋は2軒しかありません。▲2階の学習塾ガロア
「今後に向けて、羽後町のことを考えるのが楽しい」
現在、本当に多くの活動をされている阿部さん。なぜ、こんなにも多くの活動をされているのでしょうか。今後やりたいことをお伺いしたときに、その答えが垣間見えた気がしました。
――――今後、阿部さん自身やりたいことは何ですか?
阿)いろんな人間が住むようになってくれると嬉しい。いろんな人が刺激し合う、そこまでは頑張りたいの。なんとか、地域の人間関係のこともサポートしていきたい。多様な人間が来てくれたら、いろんな感性の人が動いて、融合したら、自立して動いていけると思う。最初はエネルギーがいると思う。けど、後は自分自身で燃えていく。すごい楽しいよ。次あれしよ、これしよって発想がわいてきて。楽しい。
私の中では、楽しそうに話される姿が印象的でした。また、最後に阿部さん自身のやりたいことについてお伺いした質問で、羽後町の将来のことを思い描かれていたことも印象に残りました。4つの肩書を持つ阿部さんはどこまでも、地域の方・周囲の方のことを考えているんだろうなと感じました。
書店ミケーネ
〒012-1100
秋田県雄勝郡羽後町西馬音内313-4
電話番号:0183-62-5009
営業時間:8:00~22:00(書店)
定休日:元旦
設立年月:1991年5月
学習塾ガロア
電話番号:0183-62-4623
Email:miga@ugotown.com
ホームページ:http://galois.ugotown.com/(学習メニューや料金がご覧いただけます。)
【予告】チャリで巡る突撃取材・第8弾のスポットは!?
阿部久夫さんの息子の雄太さんが営む農家民宿「かやぶき山荘格山」へお伺いしました。