【新連載|第6弾】
羽後町内をチャリで巡る女子大生突撃取材!
「明通りチーズ工房」編

羽後町でチーズ作り!明通りチーズ工房へ行ってきました。

先日、町内のイベント「うみゃ・めんまつり」の会場で出張販売いるチーズ屋さんを発見。試食用のチーズをいただいてみたら、これがフレッシュでとっても美味しい!

お店の名前は【明通(あけどお)りチーズ工房】。どちらのチーズ屋さんですかとお伺いすると「羽後町内ですよ。閉校された小学校でフレッシュチーズを作っているんです。」と。よく話を聞いてみると、目の前で接客してくれている品の良いお母さんが、明通りチーズ工房の代表ということが判明。ぜひ取材に伺いたいと思い、その場で代表に取材交渉。快く承諾していただき、後日工房へ行って参りました!

道の駅うごからはチャリで約15分ほど。閉校された明通小学校の中に、明通りチーズ工房の事務所と工場が備わっていました。

=株式会社明通りチーズ工房 基本情報=

  • 2011年明通りチーズ工房を立ち上げ、2017年株式会社化。
  • 雄勝酪農の牛乳を100%使い、チーズを作り、販売。
  • 現在チーズ作りは、代表の中村厚子さん・工場長の佐藤円(まどか)さんのお2人

出迎えてくださったのは、めんまつりの際にもお会いした代表の中村さんと、工場長の佐藤さん。

酪農家の中村さんがチーズを作り始めたきっかけ

中村さんは酪農家に嫁いで、酪農家に。酪農家の中村さんは今では、乳製品製造の専門家である佐藤さんと共に、羽後町でチーズを作っています。まずは、明通りチーズ工房ができたきっかけをお伺いします。

▲代表の中村厚子さん(左)と工場長の佐藤円さん(右)

――――明通りチーズ工房を始めようと思ったきっかけは何ですか?

中村さん)私、チーズ本当はあんまり好きじゃなかったんです。私たちが食べていたチーズはほとんどプロセスチーズなので、感触が嫌だったのかな。1994年に、酪農家の母ちゃんたちみんなで、ヨーロッパへ研修旅行へ行ったんです。そこで食べたチーズが本当に美味しくて!!じゃあ作ってみるか!と思ったのが最初。

当初は母ちゃんたち4人で、チーズ作りを10年ほど練習したんですね。でも10年といっても酪農家なので夏場忙しい。主に冬にやっていました。でも、最初は食べられるチーズではなかったです。私たちにはただ作りたいという想いがあっても、技術がなかった。マニュアル通りにしても、いろいろ工夫してもダメでした。その10年の間に、現工場長の佐藤と出会い、教えてもらいながらなんとか2011年ごろにチーズを完成させることができた。

――――廃校した小学校を利用しようと思った理由は何ですか?

佐藤さん)たまたま(笑)場所は、いろんなところ探したんです。乳製品は衛生関係が厳しい。白い血液という別名もあるくらいですから。チーズは生鮮食品に近い感覚として、日本では扱われている。だから、チーズの設備に対しての基準がすごい厳しい。その基準にあっていたのが、ここでした。

中村さん)私たちは、いろんな方に助けられて、この場所でチーズを作れていますね。

――――明通りチーズ工房のチーズの特徴は何ですか?

中村さん)牛乳。明通りチーズ工房の牛乳はうちの雄勝(おがち)酪農の牛乳を使っています。乳質にこだわっている。秋田県内でも厳しい基準で、その中でも一番いい牛乳を使っています。やっぱり基本になるのは牛乳なので。

佐藤さん)やはり、酪農家の奥さんたちがチーズを作ろうと立ち上げたので、牛乳の味を大事にしたい。なので、鮮度の高い牛乳の風味を大切にしています。牛を育てる中で、端的に言えばストレスが少ない環境で育てるのが大事。誤解されがちなんですけど、放牧された方が牛にとってストレスが少ないと。でも、実際は狭い場所ではまっていた方がストレスが少ないんですよ。牛舎の中でつながれていることが、かわいそうと思われている方も多いと思うんですけど。研究結果によると、つながれている方が放牧された牛よりもストレスが少ないことが分かっています。

明通りチーズ工房のチーズはどんなチーズ?

続いて、明通りチーズ工房では、どんなチーズを作っているのか?どこで販売しているのかをお伺いしていきます。

――――現在、販売しているチーズの種類を教えてください。

中村さん)今は、基本のチーズが6種類です。それと、季節ものですね。

  • カチョカバロ・・・モッツアレラチーズに似た製法だが、水分が少ないため濃厚な風味。
  • 雄勝モッツアレラ・・・一般的なモッツアレラに比べ、無調整原料乳なので、風味を強く感じる。
  • カマンベールウォッシュ・・・カマンベールを塩水でウォッシュ。独特のうま味と風味。
  • スカモルツァ・酒・・・原料乳に酒粕を加えている。日本酒の良い香りと、牛乳の甘みが広がる。
  • スカモルツァ・黒胡椒・・・黒胡椒の刺激と香りと、優しい原料乳の甘みが広がる。
  • ひっぱっ太郎・・・さけるチーズ。シコシコとした食感が特徴。

(明通りチーズ工房HP参照)

――――どこで販売していますか?

中村さん)羽後町では、道の駅うごで販売しています。タカヤナギさん・スーパーマーケットよねやさん(湯沢市・横手市など秋田県南にあるスーパー)もちろん、こちら(元明通小学校にあるチーズ工房)でも買うことができます。

――――秋田県内のイベントでも出店されているのですか?

佐藤さん)いや、なかなか。秋田県ではどうも昔からか、チーズの発酵というものがあんまり受け入れられないんですよね…チーズを売っている店がそもそも少ないこと、日本人のチーズの入り口がプロセスチーズってことも要因としては考えられると思います。仙台市のほうへ販売に行くと、人気です。チーズのくせが強ければ強いほどです。

これからはもっとクセの強い熟成チーズも。

――――今後はどんなチーズを目指していきたいですか?

中村さん)熟成チーズに力をいれていきたいです。もっとくせのある、チーズを好んで食べる人に向けて。

佐藤さん)大手のメーカが食べやすいチーズを作る。食べやすいのは大事なことだけど、我々はもっとチーズが好きな方に、秋田県の牛乳の質にこだわったチーズが届くといいですね。

熟成チーズを試食させていただいたのですが、濃厚でチーズの風味がすごいです。本当に美味しい。明通りチーズ工房の作るチーズのファンになっております◎

特別にチーズ工場を見学させていただきました!

お話をお聞きした後、「今から、ひっぱっ太郎作るから、少し見ていきますか??」と声をかけていただき、チーズを作っているところを見学しました。

「もっと機械化されているんじゃないかというイメージがあると思いますが、ほとんど手作業です。チーズも全て手切り。」驚きです。また、牛乳の量に対して、やはり水分の量が多いので10分の1にしかチーズにはならないそうです。本当に、一つ一つ手間暇をかけて出来上がっていくんだなと感じました。

▲チーズ工場を特別に見学。すべて手作業にびっくり

 

今回は、羽後町でチーズを作っている中村さんと佐藤さんにお話をお伺いしました。10年もの年月をかけて注がれるチーズ作りへの情熱とともに、チーズ作りが本格的に始まって8年。

羽後町で唯一のチーズ工房のチーズが、町中・全国のチーズ好きな方に届くといいなと思っています。これからも秋田県の美味しい牛乳で美味しいチーズを作ってください!!!


株式会社 明通りチーズ工房

〒012-1133

秋田県雄勝郡羽後町床舞軽内180-4

電話番号:0183-55-8540

営業時間:9:00~17:00(土日祝休)

ホームページ:http://www.akedoori.jp/

【予告】チャリで巡る突撃取材・第7弾のスポットは!?

道の駅うごから自転車で3分のところにある書店ミケーネ。「あそこは、本屋でもあり、塾でもあり、民宿もやっているよ~」と地域の方からお伺いしました。三足のわらじを履いている方ってどんな方なんだろう。突撃です!