町を元気にする人にインタビュー!【UGOFAMILYウゴファミリー|No.04】奥井紗里奈さん

UGO FAMILY|ウゴファミリー」とは、町内外どこに住んでいても様々なカタチで町を応援してくださる方々への敬称です。たとえば町の交流イベントに参加してくれた方、町の活性化に協力してくれた方、遠くから町を応援してくれている方、町に移住してきた方などなど。新しく始まる連載記事では、特にご縁の深いウゴファミリーにインタビューを行いこれまであまり知られていなかったストーリーを記事にしてご紹介していきます。

神奈川県から秋田県羽後町へ!奥井紗里奈さん

連載4回目にご紹介するウゴファミリーはこちらの方。神奈川県からはるばる羽後町へ。羽後高校生との交流から新たな教育の形について考える奥井紗里奈さんです。

まずは紗里奈さんのプロフィールをご紹介します!

【氏名】奥井 紗里奈(おくいさりな)
【職業】慶應義塾大学 環境情報学部
【出身・居住】神奈川県出身、在住
【趣味・特技】ものづくり、カフェ巡り、ドラマ鑑賞、競技かるた

【現在の主な活動】長谷部葉子研究会にて多世代交流における教育的価値や表現教育について研究中。その他、WEBプログラミングやデザインなどについても知見を深めている。

紗里奈さんも活躍「羽後高校魅力化事業」とは?

羽後町と神奈川県藤沢市との災害協力協定がきっかけで、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以後→慶応SFC)との協働プロジェクト「羽後高校魅力化事業」が発足。教育活動に実績のある長谷部葉子研究会の学生が、実際に羽後町へ長期滞在して高校の魅力化に取り組んでいます。奥井さんはメンバーのひとりとして、20219月から20223月までの約6ヶ月間滞在予定。

SFC長谷部研究会ってどんなとこ?紗里奈さんがSFCを選んだきっかけは?

〈インタビュアー|UGONEWS記者・松浦(以下同じ)〉

ー紗里奈さんが長谷部先生のゼミを選んだきっかけは何だったんですか?

ゼミを担当している長谷部先生は、カリキュラムデザインや異言語・異文化間コミュニケーションなどを専門にしている先生で、文献上の理論だけでなくフィールドワークを通して地域の人を巻き込みながら変化を起こしていく研究スタイルを大事にしています。その研究姿勢に共感したのがきっかけでこのゼミに興味を持ちました。

もともと教育手法というものに関心があってSFCへ入学したこともあり、長谷部研究会のように人との関わり方や学び合いなどのコミュケーションを土台として教育について考える研究に魅力を感じ、ここで学ぶことに決めました。

ーこれまで何名のメンバーが羽後町に滞在して活動してきましたか?

私含めこれまで8名のメンバーが27ヶ月以上羽後町に滞在して活動してきました。メンバーひとりひとりが、現場に触れながら実感を持って自分たちにできることを探したいという思いで自主的に志願して羽後町へ来ています。

ー高校生にとって現役大学生と交流できることは、きっと貴重な体験ですよね?

先生や保護者とは違うのか、年上のお姉さんのような感覚で恋愛や進路の話をしてくれる生徒もいます。私が高校生の頃は大学生が何をしているのかイメージすらできなかったので、こうして学校の外に出て活動することも授業の一環だと高校生に説明して、本を読むことや書くことだけが勉強ではないんだと感じてもらえるようにメッセージを発信しています。

ーそういうプライベートな話から自分のやりたいことを見つけた人もいるんじゃないですか?

そうですね。羽後高校魅力化プロジェクトの活動に参加してたくさんの大学生と話をする中で、自分のやりたいことを見つけて進路選択につなげた生徒もいました。高校生だけだと進路の話とか真面目な話をする機会は少ないと思うので、少し年上の人だからこそ話してくれたり、その会話から自分自身についても見直すきっかけになったらいいなあと思っています。

うごプロジェクト(うごP)は主にどんなことをやってるの?

ー紗里奈さんが羽後高校に来て羽後高校魅力化事業として取り組んでいる活動を教えてください。

主な活動は3つあります。

1つ目は羽後高校の総合学習の時間に行っている「羽後学」のコーディネートです。大学生は1年生を担当していて、学年担当の先生たちと打ち合わせを行いながら授業設計をしています。1年生は自己探究と地域探求を行っていて、自分史を作ったり、他己紹介をしたり、感情や考えを書き出してもらうワークなどをやって、自分を見つめ直してもらう時間にしています。

2つ目の取り組みはSFCオンライン留学です。これは1年生を対象とした3日間のイベントで、初年度は実地研修という形で羽後高校生がSFCに実際に足を運び、23年目はコロナのこともあってオンラインで実施しています。先生方からは、「生徒のコミュニケーション能力の向上に驚いた」「違う環境でたくさんの大学生と交流する必要性を感じた」という声がありました。

ーこのオンライン留学とは、どんな内容だったんですか?

今回は6名のプロジェクトメンバーが自分の研究会を持ち、高校生と大学生がオンラインで一緒に研究活動をするというものでした。私が担当したのは幻の島を作ってツアーを考えようというものでした。正解のないものについて考えを巡らせる経験をしてほしかったのと、チームで意見をすり合わせながら一つのものを作る経験をしてほしいと思い、このような研究会を担当しました。取り組みの中では、約30名の大学生と羽後高校生をつないで交流したり、研究活動に対してフィードバックをもらう機会もありました。

先生方からは「生徒の新たな一面を見れた」という声が、高校生からは「意見をみんなで出し合っていくことの大切さを学んだ」「色々な人の意見を聞くことで視野を広げられた」という声が聞けました。オンラインでもこのような成果が見れたのは嬉しかったです。

3つ目の取り組みは放課後のイベントやワークショップです。高校生にさまざまな活動をする機会や大学生との交流の機会を作ることを目的に取り組んでいます。去年の12月には高校生からクリスマス会をやりたいという意見が出たので、音楽の先生にも協力してもらい、みんなでハンドベル演奏をしたり歌を歌いました。できるだけ高校生のやりたいという思いを実現できるような場にしています。

3月までの滞在の中で、紗里奈さんがやり遂げたいこと

ー3月までの滞在で、紗里奈さんがやり遂げたいことはありますか?

今年度は大学生が高校に在中できる環境ができたおかげで、高校生や先生方の思いを汲んだ上での企画ができるになってきたと思うんです。これからは活動の整理をして、今ある活動をより質の高いものにしていく期間にしたいと思っています。

また羽後高校魅力化プロジェクトのこともそうだし、羽後高校自体の魅力に関しても学校内にとどまっているのがもったいないと感じています。なので滞在期間中はUGONEWSを活用して、羽後高校での活動を私目線で発信して色々な人に知ってもらいたいです。

UGONEWSでの発信が今後どうなっていけば良いと思いますか?

将来的には高校生にもどんどん自分の学校生活や高校のことを発信してもらえるといいなと思います。記事をきっかけに地域の人たちが羽後高校に感心を持つようになってくれたり、興味を持ってくれた人たちが一緒に関わってくれたらいいなと思います。

次回からは、奥井さんがこれまで取り組んできた活動について現場レポートを投稿してくれます。どうぞお楽しみにっ!

 

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記者:UGONEWS編集部