【羽後で「動き」のある人に聞いた!】ウゴキーマンvol.3 髙橋俊英さん

ウゴキーマンとは、羽後町を舞台に「動き」のある人と、地域の「キーマン」を組み合わせた造語です。羽後町で活躍されている方、住んでいる方がどんな人なのか、普段はどんなことをしているのか、どんなことを考えているのか。UGONEWSで深掘りしていくことによって、より多くの方々に、その「人」をお届けしていきます!

羽後中学校の校長先生。羽後中学校での在任歴がとても長い!

今回は、羽後中学校の校長先生髙橋俊英さんにインタビューしました。羽後町出身の人なら知っている人も多いのでは。それもそのはず、髙橋さんは羽後中学校の教員として在任歴がとても長いのです!詳しくは後述しますが、筆者も体育の授業や学校生活でお世話になった先生であります。ここからは普段通り、「俊英先生」と呼ばせてもらいます。俊英先生といえば、「ハンドボール」「陽気でおもしろい」という印象でしたが、今回のインタビューで教育に対する熱い考え、将来への想いなどを聞くことができました。私自身、俊英先生と学生当時の思い出話などをしながらお話しを聞けて、とても感慨深かったです。それでは、髙橋俊英先生のインタビューをどうぞ!

【氏名】髙橋 俊英(たかはし としひで)

【職業】羽後町立羽後中学校 校長先生

【出身】秋田県湯沢市(旧皆瀬村)

【趣味】サウナ、晩酌

ハンドボールに出会い人生が変わる

ーお久しぶりです!この前まで俊英先生が羽後中学校の校長先生をされているのを知らなかったのですが、お会いできてとても嬉しいです。羽後中学校では何代目の校長先生になるのでしょうか?

〈俊英先生(以下同じ)〉久しぶりですね。元気そうで良かった。昨年の4月に着任し、2016年に三輪中学校、高瀬中学校と統合してからは4代目の校長になります。統合前から数えると「羽後中学校」としては21代目の校長で、創立52年目となります。

ー21代目…。羽後中学校の歴史を感じます。先生といえば「ハンドボール」のイメージなのですが、どのような生い立ちか教えてもらえますでしょうか。

出身は旧皆瀬村です。当時にしては小・中学校ともに人数がとても少なくて…。同級生は小学校は5人、中学校は60人くらいでした。中学校では野球部に所属していましたが、どうしても人数が多い中学校には勝てなかったんですね。その頃から、「高校では全国で活躍できる部活に入りたい」と思うようになりました。そのため、湯沢高校に進学しハンドボール部に入りました。

ーハンドボールを始めるきっかけがよくわかりました。その後の進学に至るまではどうだったのでしょうか?

湯沢高校に進学してからは、目標通りハンドボール部で何度も全国大会に出場することができました。実は中学校までは、動物が好きだったので、酪農家を目指そうと思っていたんです。ですが、部活動での経験から「スポーツを職業にしたい」と思うようになり…。そして、高校3年生の頃から体育教師を目指し、秋田大学に進学し、中学校の教員免許を取得しました。

ー当初は酪農家を目指していたとは意外でした…。中学校で体育教師になってからはすぐハンドボールを教えていたのですか?

教員のスタートは湯沢南中学校でしたが、ハンドボール部がなかったんです。そこで、秋田県内初、中学校に男子ハンドボール部を創部しました。当初は秋田県内にハンドボール部がある中学校が1校しかなかったので、県大会なしで一発で東北大会に出場でした。羽後中学校の男子ハンドボール部は、湯沢南中学校の3年後に出来たんですよ。湯沢南中学校で7年間勤めたのち、雄勝中学校に3年間、その後羽後中学校に10年間勤めました。羽後中学校に赴任した当時は女子ハンドボール部がなくて、私が赴任した時に創部しました。当初は1年生だけしかいなかったんですが、その子たちが3年生になった年に、初めて東北優勝をすることができました。その2年後に、2回目の東北優勝を果たしました。羽後中学校で結果を残すことができたのは、保護者や地域の方々のおかげと感謝しています。

様々な地域活動に関わる羽後中学校

ー次に羽後中学校についての質問です。現在の生徒数や学校としての目標、部活動について教えてください。

現在、生徒数は1年生90人、2年生126人、3年生99人の計315人です。2年生は人数が多いので5クラスですが、1・3年生は3クラスです。学校の教育目標としては「自律」「創造」「協働」を掲げています。

部活動は運動部が12部、文化部が2部あります。今年はバレー部が男女とも県大会で上位の成績を収めたり、女子バスケ部やハンドボール部、柔道部、陸上部、野球部などが活躍しています。

ー部活動の活躍、素晴らしいですね。現在、羽後中学校の取り組みとして力を入れているところは何になりますか?

特に力を入れているのは、3年生の総合学習の時間、通称「Project U」です。テーマは「地域貢献活動」「社会参画の推進」としており、ふるさと教育、キャリア教育の一環の取り組みとなります。

ーProject U、かっこいいですね!具体的にどんな活動をしているのでしょうか?

活動は複数のチームに分かれています。例えば、「うごぎゅうぎゅうバーガー」というハンバーガーを開発しました。食材は、羽後町の特産品である羽後牛や、新鮮な野菜を使い、生徒たち自らが、商品開発から販売に至るまでをトータルプロデュース。開発したハンバーガーは、湯沢ロイヤルホテルで夏休みの2日間20食限定で販売したのですが、両日とも完売でした。また、羽後町にある、菓詩工房さとうさんとコラボし、ロールケーキも開発しました。

別の例を挙げると、「またきてね、羽後町」と題したCMをCMチームが制作したんです。制作したCMは、第21回あきたふるさと手作りCM大賞で特別賞を受賞しました。1週間に1本ずつ、5時台に放送されていますので、ぜひ機会があれば見てみてください。台本作りやカメラ、録音、出演者、監督など、全て中学生自身で考え、制作しています。

【取材レポート|1月29日開催】羽後中学生が制作したCMが第21回特別賞を受賞!

そのほか、ボランティア活動もしています。例えば、こども園で子どもたちに中学生が教えたり、小学生向けの仕事体験イベントである「しごとーいうご」の企画運営など、様々な活動を行っています。

【11月23日|イベントレポート】 大盛況!しごとーいうご2023①

【11月23日|イベントレポート】 大盛況!しごとーいうご2023②

ー自発的に動くことは社会人になっても必要なスキルだと思いますし、本当に素晴らしい活動だと思います!先生たちもやりがいがあるのではないでしょうか。

そうですね。私が教員になって一番良かったこととして、子どもが活躍したり喜んでいる姿を一番間近で見れ、さらに私たちも手応えを感じられることだと思っています。Project Uでの子どもたちの活躍している姿もまさにそうです。思春期なので悩んだり、苦しいこともあると思いますが、逆境を乗り越えて子どもたちが成長していく姿に、いつも感動を覚えています。心と共に体も成長する時期なので、私の担当教科である体育の授業は、特に成長を感じやすいんですよね。運動の苦手な生徒が、「体育って面白い」と思ってもらえることが一番の喜びですね。

俊英先生の考える未来とは

ー先生は長く教員を勤めてきていますが、教育法や考え方は変わりましたか?

時に厳しさが大事なのは今も変わらないと思っています。ですが、言葉でのコミュニケーションを増やしてきたりと、伝え方を変えてきました。年と共に丸くなってきた部分はありますし、生徒たちにとっては自分に年が近い先生の方が親近感が湧くのは当然かと。私は教員を長く経験しているので、人間としての厚みを伝えられるように生徒たちと接しています。

ー羽後町の中学生として、こんな生徒に育ってほしい、などの思いはありますか?

まず「中学生」としては、持っている力、可能性を自分で発掘できるような人間になってほしいと思っています。現状維持ではなく、常に高みを目指して自分自身を開発していってほしいです。我々教員は生徒をサポートする立場ですので、困った時には我々を頼ってほしいなと。次に「羽後町」という地域に関して、生徒たちには羽後町の魅力を感じて、地域に貢献できる人になってほしいと思っています。「羽後町は自分たちで動かすんだ!」という思いを持つ生徒がどんどん増えていってほしいですね。

ー先生の熱い思いの通り、今の中学生たちから地域の未来を担う人が生まれてくるといいですよね。全国的な傾向と一緒で、羽後町も少子高齢化が進んでいますが、俊英先生としてはどんな思いを持っていますか?

私の考えとしては、人口減少の最後の砦は産業だと思っています。事業所が減ると雇用も減りますので…。ですが、羽後町は中小企業が元気なイメージがあります。人は当然減っていくとは思いますが、道の駅のように、産業で盛り上がっているところが今後次々と生まれれば、本質的に地域は衰退しないのではないかと思っています。

ー最後に、先生から羽後町の若者たち対するメッセージはありますでしょうか。

AIの台頭や環境問題など、我々の若い時にはなかった予測不可能なことが多く起きる時代に入っていると感じています。そういった中で今後求められるのは「対応力」だと思っていて、どんなことが起こっても柔軟に対応できる力を身につけていくべきかと。また、凝り固まった考えではなく、柔軟な発想力も必要だと思います。そういった能力で今後の未来を切り開いていってほしいです。

 

以上、俊英先生のインタビューでした。人生の先輩として、俊英先生のお話には共感できるところが多く、非常に勉強になりました。親御さんや子どもたちにもぜひ、この記事を見てもらえると嬉しいです。

次回のウゴキーマンは、羽後町が誇る和菓子屋のホープ、「菓子司 万寿堂」の矢野圭伍さんにスポットライトを当てていきます。お楽しみに!

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UGONEWS編集部(地域おこし協力隊|土田大和)