【羽後町消防団】地域の日常を守る防災リーダーに密着!

消防団って何をやっている組織ですか?そう聞かれて、答えられる方はどれくらいいるでしょうか。実は消化活動だけでなく災害時対応や平常時の地域活動などさまざまな場面で活躍している消防団の方々。羽後町に居住・勤務している18歳以上の方であればどなたでも参加でき、幅広い年代の方が日々活動されています。

今回は、普段なかなか見ることのできない羽後町消防団の活動の一端を知るべく、消防団の訓練を見学してきました!2日間にわたる訓練の様子をお届けします。

一糸乱れぬ呼吸の合同練習

今回伺ったのは、田代地区の第七分団、仙道地区の第八分団の合同練習。2024年7月7日(日)の羽後町消防訓練大会に向けた訓練です。

6月25日:規律練習(きりつれんしゅう)

日の暮れかかった午後6時。田代福祉センター裏のグラウンドに制服姿の消防団員が続々と集まってきます。その数およそ40名。午前中の雨でグラウンドには水たまりが残り、足元の悪い環境。それを物ともせず真剣な表情で訓練に臨みます。

訓練は分団ごと、交互に2回ずつ。分団長が点検者として隊列の外から監督し、部長が指揮者となってテキパキと指示を出していきます。

「ただいまから、通常点検並びに小隊訓練を開始します!」

「気をつけ」

「整列やすめ」

「まわれ、右」

「前列、4歩前へーすすめ!」

スッスッと隊列を崩さず指示に応えていく21名の隊員たち。列がそろうと右から順番にサッ、サッと顔を前に向けていく、その一糸乱れぬ動きは息を呑むほど。号令に合わせて隊列を揃え、広いグラウンドを駆け抜けます。

一通りの訓練が終わると、消防署の消防隊員による振り返りが行われます。消防団員からも次々と質問が飛び、動き方や動きのタイミングを修正していきます。次の訓練に繋げるために細かい修正も惜しみません。練習が終わると、練習中の真剣な表情からは一転。拍手を送り合い、和やかに談笑する様子が印象的でした。

6月27日:ポンプ操法(ぽんぷそうほう)

午後6時、中仙道付近の路上。この日は天候に恵まれ、西陽が照らす田んぼを横目に練習が行われました。

ポンプ操法は4人1組体制で、それぞれが役割の書かれたゼッケンを着用します。号令を出すのは、班長以上の役職の人が担う指揮者。他3人もそれぞれに自分の持ち場を担い、一致団結して業務にあたります。

ポンプ操法の特徴は、タイム計測が行われること。最初の90秒で道具の準備を行い、「操作始め」「よし!」の掛け声から火点を倒すまでの時間を競います。タイム計測が始まると俊敏な動きでテキパキと作業を進めていく4名の消防団員。他の団員たちも真剣な表情で見守ります。

消防団に所属するのは、日頃さまざまな職業に就いて働かれている町民の方々。消防団員歴も人によって異なり、中には30年以上務めている人もいるそう。中には、地域の先輩から「入れ、入れ」と声をかけられて入団したという団員も。入団する方がいる一方、定年の65歳で辞める人も多く、団員数は年々減少傾向にあるといいます。

訓練後のインタビューに応じてくださったのは、第七分団の安倍一人(あんばい かずと)さん。消防団に所属して20年以上が経ち、現在は班長を務めているそう。今回のポンプ操法では指揮者の役割を担っています。

「7月7日(日)の大会では、日頃の練習の成果が出ればよいかなと思います」と一人さん。今回のような大会の意義についても語ってくださいました。

「ポンプ操法は火点に水を当てて倒すまでのタイムを計るので、タイムを縮めたくてみんな一所懸命頑張っています。ただ、それだけの目的にとどまらず、きちんとしたポンプの操法や節度もしっかりやれると良いなと。

こういう大会や本当の現場以外に、ポンプを動かす機会って無いんですよね。年2回の訓練でもポンプ操作や放水はしますが、操作する人は限られます。みんながポンプやエンジンの操作を覚えることも大会の意義の一つなので、この機会にいろんな人が操作を覚えられるように、メンバーも交代するなど考えていますね」

各分団の訓練が終わった後も、消防隊員に質問をして動きを再確認していた消防団のみなさん。こうした日々の積み重ねが、日常の備えや非常時の迅速な対応につながっているのだと感じました。

羽後町では地区ごとに消防団が編成され、地域に根ざして活動しています。新しい団員も随時募集中とのこと。ご関心のある方は、ぜひ一度羽後町のホームページから活動の様子をご覧になってみてはいかがでしょうか。

【問い合わせ先】
町民生活課  生活環境班 町民生活係
TEL 0183-62-2111(内線 118.119)
羽後町公式サイト 消防団員募集ページ

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UGONEWS編集部(地域おこし協力隊|岸峰祐)