10月12日の19時ごろ、雲の隙間から月明かりがこぼれる夜。美しくライトアップされているのは、稲刈り後に稲を天日干し・自然乾燥させるために組まれた「はさがけ」。休耕田の緑の上に黄金色に浮かび上がる稲わらの壁がなんとも幻想的だ。
ここは秋田県羽後町田代地区、旧長谷山邸から車で3分ほどの距離にある田んぼの真ん中。田代地区は昔ながらの循環農法が残っているエリアで、稲刈り後にははさがけで稲を自然乾燥させている、古き良き日本の田園風景に出会うことができる。
地元では当たり前すぎて素通りしてしまうような“はさがけがある田園風景”。これをライトアップすることで、地元住民も驚く非日常空間に生まれ変わらせたのは、2019年に羽後町田代地区に移住してはさがけ米の生産に尽力している「小林 茂和」さん。
「もう少しで稲入れをするので、ライトアップが楽しめるのはあと数日ですね」と小林さん。今年試しに初めてみたという晩秋限定のこの試み。この夜は地域住民の方々がコーヒーやスイーツを持ち寄って、焚き火を囲んで会話を楽しむ風景もみられた。
まさに町の新しい秋の風物詩とも言える光景を目の当たりにできるのは、あと数日限り。
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取材・記事|UGONEWS編集部