【11月30日】「西馬音内盆踊り」がユネスコ無形文化遺産へ登録決定。

西馬音内盆踊り、無形文化遺産に登録決定。

11月30日、秋田県羽後町の「西馬音内盆踊り」と秋田県鹿角市の「毛馬内盆踊り」を含む24都道府県41件の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に審議され、無形文化遺産への登録が正式に決定されました。

羽後町ではこれを受けて、12月1日の午前中、関係者が集まり登録決定を祝う記念セレモニーを開催しました。

▲盆踊り会館で開催された記念セレモニー

無形文化遺産へ登録された「風流踊」とは、衣装や道具に趣向を凝らし、歌や笛、太鼓などに合わせて踊る民俗芸能です。その起源は中世に由来すると言われており、各地の歴史や風土に応じて伝承されています。踊ることで災厄を払い、死者の供養や豊作祈願などを願う思いが込められています。

秋田県内ではこれまで、鹿角市の「大日堂舞楽」、仙北市の「角館祭りのやま行事」、秋田市の「土崎神明社祭の曳山行事」、鹿角市の「花輪祭の屋台行事」の3行事を含む「山・鉾・屋台行事」、「男鹿のナマハゲ」を含む「来訪神 仮面・仮装の神々」がユネスコの無形文化遺産に登録されています。

秋田県知事 佐竹敬久氏は今回の登録決定について、下記のようにコメントを公表しました。

「本日、モロッコ王国で開催中のユネスコ政府間委員会において、「西馬音内 の盆踊」や「毛馬内の盆踊」を含む「風流踊」がユネスコ無形文化遺産に正式に登録されたことは、羽後町や鹿角市をはじめ、関係する方々の御尽力の賜であり、大変うれしく思います。

本県関係では、「大日堂舞楽」、「角館祭りのやま行事」、「土崎神明社祭の曳山行事」、「花輪祭の屋台行事」、「男鹿のナマハゲ」に続く登録となり、伝統文化の継承とともに地域活性化に向け、大きな弾みになるものと考えております」

今回の無形文化遺産への登録決定により、「風流踊り」の保存・継承・世界への発信に課題と期待が寄せられます。

西馬音内盆踊りについて

1981年に国の重要無形文化財に指定された西馬音内盆踊りは、「日本三大盆踊り」の一つです。先祖供養や豊作祈願の思いとともに、日々の厳しい労働や生活から解放される娯楽イベントとして、住民に長く親しまれてきました。

▲祝賀セレモニーでは、実際に西馬音内盆踊りが披露されました。

西馬音内盆踊りの起源について記録された資料はありませんが、言い伝えによると、最も古い起源は鎌倉時代までさかのぼります。

かつては住民のためのイベントとして自己流の振りが流行しつつあったという西馬音内盆踊り。今では踊りの衣装が「端縫い」と「編み笠」、「藍染浴衣」と「彦三頭巾」に統一され、太鼓と笛だけだった囃子方(はやしかた)に三味線や鼓(つづみ)、鉦(かね、しょう)が加えられ、「見せるための踊り」としてその知名度を広げています。

年に一度の開催時には、住民や観衆だけでなく多くの踊り手が遠方から参加し、根強いファンにも親しまれるイベントとなりました。

▶︎西馬音内盆踊りについてはコチラでも詳しくご紹介しています!

▲11月1日に羽後町役場で開かれた会見の様子。

また、盆踊りの継承・保存に尽力されている西馬音内盆踊保存会を代表して、会長 佐藤寛悦氏からもコメントをいただいています。

「今回の報告を受けて、これまでこの伝統文化を絶やすことなく受け継いできた先人たち、そして現在も支援してくださっている関係者の皆様方への感謝の気持ちが溢れました。
それと共に、保護団体として西馬音内盆踊りを保存・継承していく責任を今まで以上に感じています。

西馬音内盆踊りは衣装だけでなく、にぎやかで勇ましい野生的なお囃子と、優雅で流れるような美しい踊りの不思議な調和が特長であり、他にも現地に訪れてみないと伝わらないような魅力が多くありますので、是非とも8月16~18日に本町通りで行われる本番の西馬音内盆踊りに足を運んで頂ければ幸いです」

■西馬音内盆踊保存会の主な取り組み
○こども園、小学校、中学校、高校への盆踊り指導
○一般の方を対象とした練習会の開催
○公的公演活動を通じた伝統文化に対する関心や理解の醸成

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

記者:UGONEWS編集部