【秋のイベントレポート】舞踏の聖地、田代地区で鎌鼬芸術祭が開催されました!

3年ぶりの開催

9月24・25日の二日間に渡って開催された鎌鼬の郷芸術祭。この祭りは鎌鼬美術館が創設された7年前に始まり、今年の開催で7回目を数えます。当日は国内外から訪れた多くの参加者で賑わい、たいへんな盛り上がりを見せました。

▲鎌鼬の里芸術祭2022のプログラム一覧

▲神事舞踏の疫病送りと西馬音内の盆踊りで芸術祭が幕を開けました。(写真提供:小野まさる様)

○鎌鼬の里芸術祭とは
鎌鼬の里芸術祭は、毎年田代地区の旧長谷山邸で開催されるイベントです。田代地区は秋田市出身の舞踏家・土方巽の写真集「鎌鼬」が撮影された地で、舞踏の聖地とされています。3年ぶりの有観客での開催となった今回は、西馬音内盆踊りや仙道番楽、舞踏家による公演やシンポジウムなどの多彩なステージが観客を魅了しました。

○舞踏とは
ここでは主に暗黒舞踏を指します。暗黒舞踏とは土方巽を中心に形成された前衛舞踏の様式で、アヴァンギャルド(前衛芸術)の一つとされています。これはフランス語で《革新的な試み》や《挑戦する姿勢》を意味します。

▲二日目にはハサ掛けのワークショップも開催。写真は舞踏家の宇賀神智さん。(写真提供:小野まさる様)

二日目の午前中には、ハサ掛けのワークショップを開催。稲を刈り取ってハサに掛けるという昔ながらの農業体験は、先人たちの知恵と苦労が垣間見える瞬間でした。土方巽が惚れ込んだ田代の原風景とハサの金屏風は、この先も語り継がれるべき貴重な財産です。

▲再生中の小林家住宅に設けられた別館の展示場。香川大介さんによって描かれた大作。今にも動き出しそうな迫力満点の物の怪に圧倒されました。(写真:小野まさる様)

コロナウイルスの感染拡大に伴い、3年ぶりの開催となった鎌鼬芸術祭。協力隊背尾自身は、主に参加者の送迎を主戦場としていたため会場にとどまることはできませんでしたが、盛り上がりと熱気はひしひしと伝わってきました。来年はさらに多くの方に参加していただけることを、心から願っています。

最後になりますが、写真・現場での映像を快く提供してくださった小野まさる様に心より御礼申し上げます。

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鎌鼬美術館
○住所:012-1241 秋田県雄勝郡羽後町田代梺67-3
○連絡先:0183-62-4623(鎌鼬の会事務局)
kamaitachi@ugotown.com

開館時間
10:00~16:00(受付最終)、最終閉館16:30
※ 土・日曜、祝日のみ開館
※ 11月後半~4月まで冬季休業あり。

入館料
300円(高校生以下無料)
※団体割引 270円(10名以上の団体様)
※5名以上の団体様は事前にご連絡頂ければ休館日でも対応可能です

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記事|背尾 文哉(地域おこし協力隊)

愛知県日進市出身。地域のイベントごとが大好きな、しがないゲームクリエイター。協力隊活動を通して得た羽後町の魅力をシナリオゲームにして発信予定。趣味はサッカーと筋トレ。