【背尾の日常備忘録12】曙光を睨める幽寂な小径

こんにちは。羽後町を舞台にシナリオゲームを作りたい協力隊員、背尾文哉です。

夏らしい天気が少ない、雨が多い……。最近感じる鬱屈とした思いは、その大半が気候に向けたものであるような気がします。もちろん、そんな文句を垂れたところで雨雲が自重してくれるわけでもないのは十分理解しているつもりですが……。せめて雨の日と同じ分くらいには青空をのぞかせてほしいと思ってしまいます。八月も残すところ二週間弱。後半は少しでも心地よい天候が増えることを願いつつ……。

備忘録12 木々の間から

2022年7月30日(土)

朝露をキラキラと乱反射させている稲穂の海の向こうに凛として佇む朱の鳥居。それを見つけた途端、私は引き寄せられるようにしてハンドルを切っていた。迂回路を提唱するカーナビを無視して、畦道を進んでいく。空は快晴。これ以上ない散策日和だった。

▲田んぼを見下ろす格好で鳥居が建っていた。

▲神社と社。

燃えるように輝く鳥居の足元を伸び放題の芝生が覆い、参道を跡形なくかき消している。神社と呼ぶにはいささかお粗末ではあったが、その中に確かな風情があった。私は数枚シャッターを切り、他には何かないだろうかと辺りを見回す。と、小さな社のさらに奥——雑木林の中に赤い何かを見つけた。

▲口を開けたように奥へと続く小道と、深紅の拝殿。

▲木立の合間を縫うように朝日が差し込んでいる。

近寄ってみて、それが拝殿であるとわかった。木々の合間に苔に覆われた石段が数段あり、その上に真っ赤な建物が佇んでいる。建物には一切の文字が刻まれておらず、ここがどういった場所で、何を祀っているのかは定かではない。誰が、何のために作ったのか。そんなことを想像しながら、しばらくは新しい発見の余韻に浸っていた。

【備忘録12】では、田代地区にある独特な雰囲気の神社(?)をご紹介しました。次回もお楽しみに!

グーグルマップ:

https://goo.gl/maps/PfueTmMqEh76iGqf6

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撮影・執筆|背尾 文哉(地域おこし協力隊)

愛知県日進市出身。地域のイベントごとが大好きな、しがないゲームクリエイター。協力隊活動を通して得た羽後町の魅力をシナリオゲームにして発信予定。趣味はサッカーと筋トレ。