【背尾の日常備忘録14】第三の三輪神社 ~神が休んだ場所~

こんにちは。羽後町を舞台にシナリオゲームを作りたい協力隊員、背尾文哉です。

九月ともなるといよいよ秋の気配が深まりつつあります。日中はお盆の暑さを取り戻したような時間帯もありますが、一方で夜風は季節の移り変わりに従順です。うっかり薄着のまま朝を迎えるなんてことのないよう、体調の管理には気を付けていきたいものですね。

さて、私事ですが、今月で協力隊に着任して半年となりました。長かったようで短い、非常に濃密な時間を過ごしていると実感しています。私自身、さまざまな経験を通じて羽後町の魅力を肌で感じ、より一層この町が好きになりました。今後も微力ながら羽後町の発展に寄与できるよう、精進して参りますのでよろしくお願いいたします。

備忘録14 田園風景に佇む小さな祠

2022年9月10日(土)

羽後町には、三輪神社と称する神社が二つある。一つは糠塚。そしてもう一つが杉宮。後者は国指定の重要有形文化財に登録されている由緒ある建造物だ。

▲糠塚の三輪神社。

▲特徴的なのは、屋根に添えられた二つの「五本骨月丸軍扇」。佐竹藩の寄進によって普請されたのだろうか。

▲杉宮の三輪神社。国指定の重要有形文化財。

▲向田の祠。中には石の像と奉納品がある。

これらの神社はマップ上にも記載されているため存在を知っている人も多いと思うが、実はこのほかにもう一つの三輪神社——実際には神社とは名ばかりの小さな祠だが――が存在する。場所は杉宮の三輪神社より北西に1キロほど進み、大戸川を越えたあたり。笑いさざめくようにざわざわと鳴いている稲穂の群れの角に、小さな祠が鎮座している。

新成の地域誌によれば、糠塚三輪神社は「杉宮に別院を作り、当社は元宮である」と記され、向田の三輪神社は「杉宮に遷宮する際に神が休んだ場所」なのだという。なお、地図上で糠塚・向田・杉宮をの三神社を結ぶと、ほぼ直線で結ぶことができ、向田の祠は糠塚と杉宮の間に位置している。

本件に関しては諸説あるが、いずれにしても非常に興味深い歴史であることには変わりない。

グーグルマップ:

杉宮三輪神社  https://goo.gl/maps/Ah9dwaB5pHSX49EL7

向田の祠  https://goo.gl/maps/E9MLfmux5pieBwW9A

糠塚の三輪神社  https://goo.gl/maps/iaQhVT7rPfMWaBHa8

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撮影・執筆|背尾 文哉(地域おこし協力隊)

愛知県日進市出身。地域のイベントごとが大好きな、しがないゲームクリエイター。協力隊活動を通して得た羽後町の魅力をシナリオゲームにして発信予定。趣味はサッカーと筋トレ。