全国で人気の洋服のブランドを縫製する株式会社ジェイシーエフへ行ってきました。
婦人服・子ども服をメインに縫製を行う株式会社ジェイシーエフ(以下JCF)。ここでは、全国的に有名なロリータ服のブランドMelody BasKet(通称メロバス)とEmily Temple cute(通称エミキュ)の縫製をしています。人づてにそのことを聞いたとき、「羽後町でロリータを!」と驚きました。Twitterで調べてみるとロリータの世界ではとても人気のブランドみたいです。早速、お伺いしてきました。場所は、道の駅うごから自転車で3分。道の駅うごからセブンイレブンを目指し、セブンイレブンを左折してすぐでした。
=株式会社JCF基本情報=
- 1992年設立。
- 婦人服・子ども服の縫製を行っている。
- 婦人服全般とベビーやトドラー及びジュニアの女児商品すべてのアイテムを手掛けている。
今回出迎えてくださったのは、経理担当の佐藤花帆さん。なんでも羽後町出身でそのまま地元の企業へ就職されました。羽後町出身の学生は外へ出ていく方が多いと聞いていたので、佐藤さんご自身のお話をぜひお伺いしたい!本当は、ロリータのことをお伺いしようと思ってきたのですが。今回は、羽後町のこと・地元就職のことについて佐藤さんのお話から考えていければと思います。
「地元のために、何か力になりたい」
株式会社JCFの中の株式会社ジェイジョリー(Melody BasKetやEmily Temple cuteのブランドを扱っています。)の経理を担当されている佐藤花帆さん。高校卒業後、2019年入社。地元での就職を選択した佐藤さん。就職の時に選んだ軸と、会社のことについて語っていただきました。
――――株式会社JCFさんへ入社した理由は何ですか?
最初は、進学を考えていました。中学校で地元の企業を紹介するイベントがあり、そこで株式会社JCF、今の上司と出会いました。その時は、可愛い洋服を扱っている会社だなという印象でした。いずれは地元にいたいなくらいの気持ちで高校に進学しました。高校の間も企業説明会で、偶然に今の上司と何度も会っていました。そこから徐々に意識し始めました。
綺麗な洋服を一から作ってて、私たちは当たり前に着ているけど、そうじゃないんだなと。専門が簿記だったので、経理の形で力になれたらと思っていました。働く事になったら、自分が好きなこと・スキルアップできることじゃないとつまんないな。この会社だったら、自分の学んだことをさらに力をつけて、会社のためにも自分のためにもなると感じ決めました。
――――大学に進学しようとか、県外に出ようという気持ちはなかったですか?
ギリギリまで迷っていました。自分がやりたいこと、将来役に立つかなって考えたら、はっきりしないのに行っても中途半端だと感じました。専門学校にも企業もたくさん見て、どうするかの判断材料をたくさん作りました。
地元のためってなるとやる気も出るし、学んだこと活かせるから。可愛い服が欲しいお客さんにどうやったら届けられるかと考えるとだんだん興味がわいていました。やりたい気持ちが強ければ強いほど、挑戦できると考えています。
――――【地元のため】という言葉が多く出ていますが、なぜそうのように考えるようになったんですか?
高校の時に、西馬音内盆踊りをテーマに課題研究をしました。三大盆踊りなのに、あまり認知されてない現状をどうしたらいいのか?ということを考えました。こうやって地元にかかわる機会を与えてくれたことも大きかったです。他には町の祭りの保存会にも誘っていただいて。
今まで12年間お祭りに参加していて、「来年も頼むな!」とか言われると、やっぱ地元っていいなと思って。先日1か月東京出張がありました。楽しいんですけど、やっぱり寂しいなっていう気持ちのほうが強かった。多分地元が好きだから。
会ったときに「こんにちは、元気か?」とたわいもない挨拶をしていたからですかね。タピオカとかオシャレな洋服屋はないけど、お祭りですれ違ったときに「お~久しぶり!」と声を掛け合う。そういうのって人がいない地域だから大事だし、若い人がやっていかないとダメかなと思って。
――――若い人がやっていかないといけない!と思ったきっかけは何ですか?
だんだん地域でこどもを見なくなったことですかね。お祭りに参加するこどもがいなくなったと感じています。私たちの年代が頑張らないといけないと思うんですよね。今、同世代が4人いるんですけど、そのうちの1人が「羽後町知ってもらわないとだめだから、俺県外行ってくるわ。大学卒業したら戻ってくる」と。それを聞くと誰かがやらないとだめだなと感じました。当たり前と思っていたら、本当になくなっちゃう。
――――実際働いてみてどうですか?
最初は、現場踏ませていただいて、どれだけロスを少なくして高品質で納期を守って納めるか。そのためにはコミュニケーションと自分で考える力が必要だと感じました。専門用語も多いので大変でした。でも、上司のみなさんがあたたかい。ミスしたときにミスを押し付けるのではなくて「俺がなんとかしとくから。」「責めてもしょうがないでしょ、楽しくやらないと意味がないでしょ。」だから仕事も覚えられてきました。いろいろ大変ですけど、絶対自分の力になるし、将来役立つぞと思って踏ん張っています。
先月から、経理の仕事を始めました。その中でお客さんの対応をしたり、店舗に出向いたりしています。今は楽しいが8割くらいで仕事ができています。
地元の方が多いので、何かしら自分や両親とのつながりがあって、みんな心配してくれます。だから、いい緊張感でやれています。あとは、全国に誇れる服を作っていること、高いレベルの人たちとお仕事ができること。私も頑張らなくちゃと思いますね。
今後の佐藤さんの想い
今後やりたいことは何ですか?とお聞きすると、「ロリータ、自分のいる会社を広めたい」との返答がありました。
同級生に見せると、「可愛い!!でも知らなかった」と言われる回数が多いそうです。だからこそ、地元の子にきてもらえると嬉しいと。今は自分のことで精一杯だけど、いいところがいっぱいある羽後町でこれからも頑張っていきたいと笑顔で語ってくださいました。
▲Emily Temple cuteのワンピース
佐藤さんとお話をして感じたことは、佐藤さんのような若い世代がいる羽後町って素敵だなということです。
最後に、現在学生の方々に向けてメッセージを頂きました。「自分がしたいことをするために、嫌なことも素直に取り組んだ方がいいと思います。自分が活かせることがあるなら積極的に動けたらいいですよね。」
株式会社ジェイシーエフ
〒012-1131
秋田県雄勝郡羽後町西馬音内字中野153-8
電話番号:0183-62-5270
設立年月:1992年2月
従業員数:62名
ホームページ:http://k-jcf.co.jp/
【予告】チャリで巡る突撃取材・第6弾のスポットは!?
次回は、明通りチーズ工房へお伺いしました。実はここは廃校された小学校で、チーズを作っています。先日の三輪地区のめんまつりで出店されていて、チーズがとても美味しかったので!ぜひお伺いしたいと思いました!