町を元気にする人にインタビュー!【UGOFAMILYウゴファミリー|No.03】島田美久さん

「UGO FAMILY|ウゴファミリー」とは、町内外どこに住んでいても様々なカタチで町を応援してくださる方々への敬称です。

たとえば町の交流イベントに参加してくれた方、町の活性化に協力してくれた方、遠くから町を応援してくれている方、町に移住してきた方などなど。これまでそんな方々の素敵な活動や功績が、町のあちこちで生まれてきました。ただ、その物語を知る機会はなかなかありませんでした。

新しく始まる連載記事では、特にご縁の深いウゴファミリーにインタビューを行い「メンバーのいま」「ご縁のきっかけ」「これまでの活動」「これからのビジョン」をヒアリング。これまであまり知られていなかったストーリーを記事にしてご紹介していきます。

島根県から秋田県羽後町へ!島田美久さん

連載3回目にご紹介するウゴファミリーはこちらの方。島根県からはるばる羽後町へ。羽後高校生との触れ合いが教育について深く学ぶきっかけとなったという島田美久さんです。

まずは美久さんのプロフィールをご紹介します!

【氏名】島田 美久(しまだみく)
【職業】慶應義塾大学 大学院
【出身・居住】島根県出身・鎌倉市在住
【趣味】温泉巡り、Googleマップを使わずに歩く散歩、農園で野菜づくり
【特技】剣道、あるもので料理を作る

【現在の主な活動】慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科にて、幼児教育について研究中。子どもたちの豊かな成長につながる教育を考える一人として、博士号の取得を目指す。

島田美久さんも活躍「羽後高校魅力化事業」とは?

羽後町と神奈川県藤沢市との災害協力協定がきっかけで、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以後→慶応SFC)との協働プロジェクト「羽後高校魅力化事業」が発足。教育活動に実績のある長谷部葉子研究会の学生が、実際に羽後町に長期滞在して地域の関係者や高校生たちと一緒に、高校の魅力化に取り組みました。美久さんはメンバーのひとりとして2019年8月から2020年3月までの約7ヶ月間、町に滞在しながらたくさんの“仕組み”を作ってくれました。

美久さんと町のご縁の物語|高校魅力化でつなぐ地域の輪

〈インタビュアー|UGONEWS記者・松浦(以下同じ)〉

ー羽後町とのご縁のきっかけは何だったんでしょう?

〈美久さん(以下同じ)〉
2018年、自分が大学3年生のときですね。羽後高校存続のための魅力化プロジェクト立ち上げの一期生として、3日間羽後町に来たことがあったんです。研究会の大学生と羽後高校生が、ワークショップなどを通して実際に交流するという合宿でした。そのたった3日間の交流の中でも、高校生たちの成長や変化をすごく感じたんです!なので、もっと関わり続けてこの変化を見てみたいという思いがありました。それでその半年後の8月から7ヶ月間町に滞在して、2020年3月まで羽後高校魅力化プロジェクトをお手伝いさせていただきました。

ー最初の合宿での3日間で、高校生たちには具体的にどんな変化があったんでしょう?

これまでの人生でちゃんと大学生と交流する体験がなかったのかもしれませんが、第一印象としてはすごく緊張していたしシャイなイメージがありました。「自分のことを自分からあまり語らない」というような。でも一緒に過ごす時間が増えるほど、この3日間で「自分の考えや将来に対する思いを自分から語ってくれる」ようになったのはすごく大きな変化だと感じました。高校生にとってもすごく刺激があったんだろうなと。

ー自分が町に長期滞在して高校生と関わることで、こうなったら良いなと考えていたことや、交流するときに意識していたことはありますか?

まずはいち早く羽後町の生活に馴染んで、地域のいろんな方々と交流を深めたいなと思いました。高校生と向き合っていく中で、学校だけじゃなくそこに住んでいる地域の方々も巻き込んでいくために、自分が地域全体に目を向けられる人でいなければいけないなと思っていたので。

もうひとつは、せっかく外部から入ってきているから、先生にも地域の人にもない視点で大学生として一番高校生と向き合える、寄り添える一人でありたいなと思っていました。高校生の将来についても、挑戦したいことについても、勉強を頑張りたい生徒に対しても、真剣に向き合える大学生でありたいなと。

意識していたことは「1回で終わらせない関係性」っていうのを大事にしていました。たとえプロジェクトを卒業しても、関わっている人たちと顔を合わせ続けるのはすごく大事なことだし、自分もそうされたら嬉しいなって。

ー秋田に住んでみて感じたことはありますか?

自分が生まれ育った島根に似ているなと思いました。私の地元も田畑が広がっていて森林にも囲まれていて、全く違うところに来たという感覚は全然なくて。むしろ帰ってきた感覚が強かったです。それがすごく不思議な気持ちでした。高校生だけじゃなく地域の人と関わることも多かったのですが、地元の方々とお話ししたり一緒に食事したりする時間が、自分にとっては息抜きになっていたなーって感じました。

ー町に来たきっかけになった「羽後高校魅力化プロジェクト」の中で、美久さんは具体的にどんな活動をしていたんですか?

私が入ったときはまだプロジェクトが始まって半年くらいしか経っていなくて。学校の中でどういう活動をしていくのかという軸や土台を作っていく時期でした。最初は羽後高校の授業に一緒に参加させてもらったり、研究会と羽後高校で企画していた慶応SFCの宿泊研修に向けた事前学習をしたり。

もっと別の方法で高校生と深く交流できないかなーって考えていたある日、放課後に携帯をいじって玄関に集まっている高校生たちを見て、その時間を上手く使えないかと思ったんです。高校生の放課後の時間を新しい刺激のある楽しい時間にデザインできないかなと。ただ携帯の画面に向き合うのではなく、人と向き合って自分のことを考える時間にしたり、自分のために使う時間にしてほしいなと思いました。

そこで、高校生にとっての学びの場という意味で「うごゼミ」というのを1ヶ月間トライアルとして企画してみたんです。例えば私の知り合いの大学生を14名くらい週替わりに呼んで一緒に学習したりとか、アフリカのコンゴ共和国に留学していた研究会のメンバーに声をかけて、アフリカと羽後町をオンラインでつないで講座を開いたり。最初は1~2人の生徒しか来てもらえなかったんですけど、徐々に増えてきて。最終的には10数名の生徒が目的を持って参加してくれるようになりました。

ー羽後高校1年生を対象にした「慶應SFCキャンパス宿泊研修」は大成功だったようですね。実際現場はとんな感じでしたか?

羽後高校1年生全員が対象で大型バスで実際に慶応SFCに連れて行って、大学のキャンパスを体験してもらったんです。移動中のバスの中では生徒たちはめちゃくちゃ緊張していましたね。現地について大学生たちとワークショップしたり、一緒に食事を作ったりする中でどんどん笑顔も見えてきたんです。他にも地元の湘南学園高校の生徒たちと交流したり、ゼミの授業にも出席したり。3日目にはしっかり自分の意見を持てるようになっていて。とても貴重な体験になったと思います。

ー生徒たちに宿泊研修についてアンケートをとったそうですね。進学とか就職への意識変化もあったんですか?

慶応SFCキャンパスに行く前のアンケートでは、卒業後は就職か専門学校への進学を希望する生徒が多かったんです。実際に大学に行ってきた後は「大学に行きたい」と思うようになってくれた生徒が21名中半数以上に増えました。

ー羽後高校魅力化に関わって、特に変わったなと思う生徒はいましたか?

印象的だった生徒が4人いて、そのうちの2人は今も「うごゼミ」や「みらいクリエイティ部」に参加してくれている生徒たちです。もともとは勉強にも消極的な生徒だったのに、今ではメイクアップアーティストになりたいという自分のやりたいことが明確になって、それを叶えるためにみらいクリエイティ部を上手く活用してやりたいことを極めているというのは、私にとってはもう拍手ですね。最初はうごゼミにも参加してもらえなかったけど、向き合い続けて良かったなと思いました。

ー美久さんは卒業して今は直接的なスタッフからは離れましたが、これからの羽後高校魅力化事業がどんな風になっていけば良いなと思いますか?

高校の総合学習にしても、改善を重ねて羽後高校魅力化プロジェクトと連携しながら進んでいると思うんですが、学びを作るのが先生だけじゃなくて生徒も一緒に作っていける学校であれると私は思っています。色々な変化に対して柔軟に真剣に向き合っている羽後高校だからこそ、これからどんどん関わってくれる人が広がるほど、生徒にとっての学びも広がっていくんじゃないかと思っているので。

生徒もこの環境を上手く活かしたいなと思えるようになっていってほしいなと思います。そしてそれが、最終的に羽後町の未来を作っていく若者世代に変わっていくと嬉しいなと。自分はプロジェクトから卒業したけど、一度関わった町として今後も関わり続けたいし、これからも仲間としてみんなと色々なチャレンジをしていきたいなと思っています。

美久さんの現在進行形|高校生との関わりから教育の原点へ

ー現在はどんな活動をしているんですか?

もともとは地元の島根県で地域を盛り上げる活動をしていたんですが、大学の研究会に入ってから教育に興味を持ち始めました。羽後町の高校生たちと関わっていく中で、もっと教育の根本的なところから知りたいと思ったので、今は教育の原点となる幼児教育に目を向けて研究をしています。

幼児教育に関わるために、千葉県の船橋市にある幼稚園に週に1、2回通っているんです。その幼稚園の卒園生を対象にした「森のアフタースクール」というところで、森の中でみんなでツリーハウスを作ったり、炊飯や田植え、野菜づくりなど、自然の中で遊びを作ることが子どもたちにどういう影響を与えるのかということを研究していきたいと思っています。

ー今後「こういう事にチャレンジしていきたいっ」ていうのはありますか?

今は修士なんですけど、どうにか博士まで取得して、幼児教育をもっとしっかりと考えられる一人でありたいなと思っています。どうして子どもと向き合う必要があるのかとか、教育ってどうして必要なんだろうっていうのを子どもだけじゃなくて地域の人だったり大人世代とも一緒に考えていくために、これからも幼児教育について必死に勉強していきたいと思っています。

島田美久さんから羽後高校の皆さんへメッセージ

 

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記者:髙橋 佑佳(NPOみらいの学校 広報担当)
湯沢市出身・在住。寺町にあった某スナックの孫。
エネルギッシュな町の魅力をお伝え中٩( ᐛ )و