【3月31日(日)|美里音】初開催!横手高校&湯沢高校演劇部によるコラボ自主公演

2024年3月31日(日)の午前10時から、三輪地区にある羽後町文化交流施設の「美里音」にて、横手高校と湯沢高校の演劇部による合同自主公演が行われます。それぞれの演劇部が複数の演劇作品を披露するほか、朗読や舞など普段は披露することのない作品も上演。羽後町の劇団まどかに所属する、湯沢高校3年生の斎藤水涼さんも出演します。

演劇や舞台芸術に興味のある方はもちろん、高校進学を考えている小・中学生や親御さんにも大注目な今回の合同公演。UGONEWS編集部では湯沢高校と横手高校を訪問し、演劇部の練習に密着取材!演劇部の練習風景や、本番前にこれだけは知っておきたい公演の見どころを取材しました。

横手高校演劇部「全員で一つの舞台を作り上げる楽しさ」

横手高校の演劇部を訪れたのは、平日の放課後。練習場所である体育館のステージに向かいます。この日は準備が終わると台本を手に取り、ストーリーに沿ってリハーサル。部員数名が演者の動きをステージ前から確認し、演出や立ち位置を調整していきます。最後は小道具製作についても話し合い、常に会話と笑いの絶えない時間でした。

例年、横手高校では3年生が6月で引退。今回の自主公演では、2年生5名と1年生3名の計8名で舞台を作り上げます。披露する演目は4つで、うち1つは朗読の上演です。好きな演目を披露できるという自主公演の利点を活かし、声だけで演じる舞台に挑戦します。

横手高校演劇部 部長で2年生の高橋愛依さんは、小学2年生の時に学校で演じた『スイミー』で褒めてもらえたことをきっかけに演劇部を志したといいます。横手高校に進学すると、すぐに念願の演劇部に入部。演じるだけでなく、部員同士で話し合いながら照明や音響、演出や舞台設備などを考えられるのが楽しいと話します。

愛依さんのイチオシ作品は『リスタート』。「1年生2人による劇で、掛け合いがめっちゃ面白いんです。ストーリーは感動的で、話の流れも綺麗ですね。演じる2人に合った作品だなと思って観ています」と語ります。

毎年秋に行われる演劇コンクールの台本選びでは、メッセージ性や審査員ウケを特に考慮するそう。一方今回は自主公演のため、各部員が好きな台本を持ち寄って上演作品を議論しました。愛依さんが選んだ『終焉のハーモニー』も上演が決定。「今まで騒がしい役や面白い役が多かったので、静かめな役がやりたかった」と、登場人物を理由に本作品を選んだと語りました。

横手高校演劇部では、主に平日の放課後に練習を行います。「裏方での入部もOK。役者をやらなければならない決まりはないですし、どなたでも大歓迎です!」と愛依さん。部員同士で演技にコメントし合ったり役者が小道具を作ったりと、全員で舞台を作り上げるのも特徴の一つ。和気あいあいとした雰囲気が印象的でした。

湯沢高校演劇部「一人一人の個性が光る舞台」

湯沢高校を訪れたのは休日の午前中。練習場所は日によって異なり、この日は視聴覚室へ。校内清掃やウォームアップで準備運動をしたら、発声と準備をして演技練習に入ります。まずは舞踊を一曲、それが終わると一人芝居の稽古がスタート。キャラクター設定から舞台演出に至るまで、真剣に議論しながら演出を固めていきます。

湯沢高校からは1年生1名と卒業生が出演し、計5作品を披露します。そのうち1つの演劇作品は、本筋からずれない範囲で既存の台本を自由に書き換える「潤色(じゅんしょく)」の形で台本を作成しました。

一方で『教室以上、銀河未満』は、湯沢高校の演劇部員が執筆したオリジナル脚本。「走れメロス」と「銀河鉄道の夜」を拠り所にストーリーを展開し、登場人物の心情の変化を描きます。昨年のコンクールでも上演した本作。演目や登場人物について考え続け、突き詰めた成果が実り、同コンクールでは県南大会を突破して県大会に進出しました。

通常の演劇コンクールにあたっては、社会に対して疑問に感じていることや伝えたいことなどを基準に台本を選ぶそう。それに対して今回の自主公演では「好きな作品を楽しくやりたい」という思いを重視。町の人に楽しんでもらうことも見据えながら、作品を選抜しました。

羽後町の劇団まどかに所属する斎藤水涼さんは、本公演が高校生最後の舞台となります。幼少期から大衆演劇に出演するなど演劇や舞踊の活動を行ってきた水涼さん。今回は舞踊初挑戦となる鈴木結女さんと共に、美里音のステージで舞を披露します。「若い世代の方々にも魅力が伝わって、興味を持ってもらえたら嬉しいです」と思いを語りました。

↑舞踊を披露する水涼さん。当日は本格的な衣装に身を包み、舞を披露します

唯一の1年生部員である梅川香澄さんは、今年の4月から演劇部を牽引する存在になります。「今回の自主公演では、初めての一人芝居に挑戦するなど新しいことにも取り組みます。みなさんの前で演じる中で色々なことを学び、これから後輩を引っ張っていけるように頑張りたいです」と意気込みを述べました。

人数が少ないからこそマンツーマンで作品に向き合えるのが、湯沢高校演劇部の強み。出演者全員が主役となる劇を選んだり、個性が出しやすかったりする点も魅力だといいます。香澄さんは「生徒中心でのびのびできるのがいい。自分を思いきり出せる環境です」と笑顔を見せました。

2日間の取材を通して、たくさんの表情を見せてくださった横手高校と湯沢高校の演劇部のみなさん。いったいどんな舞台になるのか、3月31日の公演本番からも目が離せません。公演は入場無料、事前申し込みは不要です。高校生たちが春の訪れと共にお届けする今回の舞台、ぜひ会場にてご覧ください!

公演詳細

『横手高校&湯沢高校演劇部 合同自主公演』

【日時】
3月31日(日)10:00開場/10:30開演 → 15:30終演

【場所】
羽後町文化交流施設 美里音
住所 秋田県雄勝郡羽後町貝沢字拾三本塚111-1(地図
※アクセスの詳細はこちらから。

【入場料】
無料

【演目】
ポスターをご参照ください

【問い合わせ先】
羽後町文化交流施設 美里音
TEL 0183-62-2098

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UGONEWS編集部(地域おこし協力隊|岸峰祐)