先人の時代から今に至るまで、土地を耕し豊かな農産物を育んできた羽後町。その一方で、日々の「食べるもの」を得る以外の時間を活かして豊かな生活を耕している人を、UGONEWSでは「たがやすひと」と呼び、その「好き」を極める姿を紹介しています!
6人目としてお届けする「たがやすひと」は、原田真裕美(はらた まゆみ)さん。「家読(うちどく)」の推進、環境や食に関わる発信など暮らしに深く関わる活動を行なっています。発信活動の形はラジオからイベントまでさまざま。熱意を持って取り組む活動の原点を聞きました。
環境にも人にも優しい食って?
原田さんが代表を務める「菜の花いろプロジェクト」。その主催イベントがあると聞いて、8月23日(日)に文化交流施設・美里音を訪れました。この日は和室・調理室にて「エコライフ オーガニック&エコクッキング講習会」が開催されました。
まずはプログラム前半のエコ講習会から。環境にまつわるクイズに答えながら、エコな暮らしの知識や実践を学びます。
「答えは何番だと思いますか…?」
頭をひねるクイズの数々
また、エコ講習会の後半には「アーバンコンポスト」の実演も。エコライフの実践事例として、自宅で手軽に挑戦できるコンポストです。

そしてプログラム後半は参加者全員でエコクッキング。参加者全員で数品目を調理し、和室に移動して試食会を楽しみました。

環境問題と自然農法に取り組む「菜の花いろプロジェクト」。その原点は、オーガニック給食や環境問題に取り組む山田征(やまだ せい)さんとの出会いでした。その生き方に共感し、環境について学び考えるようになったという原田さん。それから、山田さんを招いた講演会なども開催するようになりました。

その後、コロナ禍を経て、4年前に「菜の花いろプロジェクト」を立ち上げました。現在は自然農法での野菜づくりのほか、定期的にイベントや講演会を企画。また、オーガニック給食の実現に向けた活動にも取り組んでいます。
農薬・化学肥料による環境や健康への影響が顕在化する近年。慣行栽培を生業にする人と対立することなく、環境と食に関心を持ってもらえたら。そうした思いが、活動を継続していく上での支えとなっています。
笑いあり涙あり絵本の朗読コンサート
もうひとつ、原田さんが活動に取り組む団体が「あきた家読ネットワーク」です。こちらも主催イベントがあると聞いて、10月4日(日)に美里音へ。この日、プロの絵本作家が絵本の朗読などを行う「小さな朗読コンサート」が開催されました。

まず前半には、子ども司書・ジュニア司書による絵本の朗読が行われました。続いて絵本作家の長谷川義史さんがスペシャルゲストとして登場。実体験やユーモア溢れる小話を交えながらの朗読に、観客席も大盛り上がり。
さらに、子どもたちの合唱やライブ紙芝居など「小さな朗読コンサート」ならではの催しも。多世代が集い、絵本を通じて空間を共有する時間となりました。
絵本を通じた出会いを
もともと絵本が大好きだった原田さん。30年ほど前から、保育所などで人形劇やエプロンシアターを届ける「おはなし玉手箱」に参加しています。また自身がラジオパーソナリティを務めるFMゆーとぴあでも絵本のコーナーを持ち、絵本紹介や朗読を行なってきました。
そんな原田さんと家読との出会いは、羽後町立図書館の館長に着任した翌年の2011年。「家読推進プロジェクト」発起人である佐川二亮(さがわ つぐすけ)さんの講演を聞き、「これだ!」と感銘を受けたそう。羽後町でも家読推進をと、小さな朗読コンサートや子ども司書養成講座を始めました。

現在も、湯沢雄勝地域を拠点に子ども司書・ジュニア司書養成講座を開講。図書館司書の仕事を学び、認定された子どもたちが活動しています。例えばイベント等での朗読や、原田さん自宅にある「小さな小さな絵本館」での本紹介ポップ作りなど。活動内容は多岐に渡ります。
子どもたちが作成したポップ
さらにFMゆーとぴあでも「子ども司書だより」という番組を実施。全国の子ども司書・ジュニア司書活動に関する電話インタビューや、子ども司書によるおすすめ本紹介を行なっています。
最近は原田さん自身も絵本制作に挑戦しているそう。次世代の読書リーダーを育てながら、自身もまた絵本に魅了され続けています。
小さな小さな絵本館
人との繋がりを大切に、前へ
食や環境を考える「菜の花いろプロジェクト」と、絵本や読書の魅力を伝える「あきた家読ネットワーク」。それぞれの分野で、イベントやラジオでの発信、講座の開催など多様な発信活動を行なう原田さん。そこからもうひとつ見えてきたのは、人との縁を大切にする姿勢です。
先駆者から言葉を受け取り、異なる立場の人々と共に歩みながら、周囲の人々に影響を与えていく。長い年月を経て続いてきた活動の裏には、原田さんが大切にしてきた「人との繋がり」がありました。
「一人の力っていうのは、私なんて特に微力なので。同じ思いの人たちが何人か集まれば、活動を続けられるし、楽しく活動していけるんじゃないかと思いますね」と、原田さん。
仲間とコミュニティを作り、食や読書を通じて地域と人をつないでいく。みんながより豊かに暮らせる未来が、ひとつひとつの活動を通じて、ここから耕されていきます。
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UGONEWS編集部(地域おこし協力隊|岸峰祐)



